なちゅん

ラビング 愛という名前のふたりのなちゅんのレビュー・感想・評価

4.4
世界は変わるべき時に、正しい力が働けば、ちゃんと正しい方を向くのだ、と思わせてくれる映画だった。
確かに不当だった期間の方が長い。立ち上がることのできる人は決して多くなかったし、涙を飲んだ人全てを救えた訳じゃない。でも、それでも、この夫婦の静かな愛がアメリカを少し正したことは間違いないし、それは語り継いでいくべきだと思う。

寡黙で謙虚なリチャードとミルドレッドの姿がより一層この映画を美しくしていた。きっと実際の2人もその美しさでもって闘い、最後に勝利を手にしたんだろう。

変化には痛みが伴うし、社会的な変化を求める時には尋常じゃないほどの長い年月がかかる。ラヴィング夫妻だけでも10年近く闘い抜いたし、人種差別全体で言えばもう何世紀も終わる気配がない。それでも、いつかは何かが変わると信じていないとやってられない。
僅かでも世界を正しい方向へ向ける、正しい力の一部になりたいと願う。
なちゅん

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