日本統治下の朝鮮半島を舞台に、ある屋敷の令嬢を騙して莫大な財産を横取りしようとする詐欺師の思惑を描く。
侍女として上月家の屋敷にやって来た珠子の視点で物語は始まり、開幕早々から珠子の正体があっさりと鑑賞者に教えられる。
官能的な浴槽シーンや、過激なベッドシーンが特別な関係性を思わせ、女性同士の絆や愛の深まりを感じた。しかし筋書き通りに事が進んでいき、悲惨な結末を迎える秀子を哀れに思った。
そして星一徹のちゃぶ台返し！(古い)
一章のラストで全てをひっくり返し、秀子へと視点を切り替えた二章で息苦しいほどの抑圧を描く。一章の場面を違う角度から映し出し、隠されていた情報が次々と明かされる。
手の内を見せ、手の平を返し、別の手を見せる3部構成で、鑑賞者も騙すパク・チャヌクの構成力は見事。聞き取りづらい日本語で音量を上げ、あえぎ声で音量を下げながら、二転三転する展開に目が離せなかった。
地下のえげつなさはキツかったが、
地上の「解放」はグッときた。
