へたれ

お嬢さんのへたれのレビュー・感想・評価

お嬢さん(2016年製作の映画)
3.9
良かったとこ1。荒唐無稽さの連べ打ち
館の設定からして、日活ロマンポルノ並みに胡散臭くて良い。原作小説にあったゴシック的な要素は微塵も感じさせず、リアルなところも全くない。禍々しさは意図的で、韓国人俳優にあえて日本語のセリフをたどたどしく喋らせるのも、胡散臭さを増すための戦略と勘ぐりたくなるくらい。

良かったとこ2。意外と原作に忠実な構成。
第2部の中盤ぐらいまでは原作小説とだいたい同じ構成。途中でドンデン返しがあるので、そこに向かって後で振り返りそうなシーンは、思わせぶりなほどじっくり撮られていた。ヤスリで歯を削るシーンがその代表例。

ダメだったとこ1。終盤の展開が杜撰。
ハッピーエンドに持っていこうと終盤をオリジナル展開にしたのはいいけど、終盤の展開が肩透かしなほど簡単に進んでしまい、盛り上がりに欠ける。大まかに言えば自由な世界への脱走を描いているはずなのに、まともな追手がいないので、むしろ展開が停滞したようにすら感じる。

ダメだったとこ2。日本語問題。
日本人の観客が一番損をしている。俳優たちは頑張って日本語で演技しているけれど、ネイティブスピーカーには全く聞こえないし、所々何を言っているか聞き取れないところもあった。日本語パートでも字幕が欲しいレベルでストレスになった。
へたれ

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