TakaCine

お嬢さんのTakaCineのネタバレレビュー・内容・結末

お嬢さん(2016年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

"禁断の戯れを覗いてみませんか?"

触れる度に、心も体も惹かれ合っていくお嬢様と侍女…

はい(笑)
まるで三文ポルノ小説の書き出しですね(^o^;)ヘヘ

官能小説的な展開を、一流の映像とコミカルとサスペンスで描いた変態映画。 エロいけど笑えます。

『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督作品ということで期待し過ぎたかもしれません。もっとアブノーマルを期待していました(僕の想像力の勝ち!?)。

小学生の時から、テレビで江戸川乱歩の「美女シリーズ」を見て、全裸のお姉さんのおっ○いにナイフを這わせる官能と倒錯に慣れ親しんだ?僕には物足りなかったです(今思えば、普通に放映する昭和って凄い時代)。

女性のしたたかさと男の愚かさが身に沁みましたね。

【禁断の世界】
大正浪漫を感じさせる重厚な洋館と美しい衣装、エロスと虐待と倒錯が織り成す耽美の世界は凄く魅力的です!2人の女と2人の男。それが組んず解れつ…なら面白かったのですが、違う方向へ(2回は驚きましたが)。

ジャケットと予告編から、勝手に4人のSMプレイ物語と勘違いしていました(-""-;)ザンネン

豪華な和洋折衷の館(美術がとにかく凄い!)で、猥雑な春本の朗読会に興じる男たち。主催者は富豪の上月(チョ・ジヌン)。春本と春画収集が趣味。変態で女子供に暴力を振るう下衆野郎。なぜか二宮金次郎と逆の、人に背負われながら"読書する"姿が笑えます。

春本を朗読会で読むのは、清楚で冷たい雰囲気の"お嬢様"秀子(キム・ミニ)。昔の松嶋菜々子みたい。凛とした美貌。目をそらす姿に独特のエロさと儚さが滲みます。

秀子の金を狙う"藤原伯爵"と名乗る詐欺師(ハ・ジョンウ)の薄っぺらさ。女性たちに見透かされている姿が情けなくて笑えます。寂しげな眼差しが印象的。ラストに見せ場がありましたね。

秀逸なのは、お嬢様の侍女として仕えるスッキ(キム・テリ)の泥臭ささと純粋さ。あの純粋さは応援せずにはいられませんよね。1500人の中からオーディションで選ばれたそうですが、初出演でヌードも辞さない度胸は凄い。

お嬢様と侍女の禁断の戯れが、美しくもエロチック!他人から虐げられてきた2人が慰め合い、心と体を解放する姿は官能的…抱き合う2人に悶絶です!!

真夜中、俯瞰で眺める屋敷から逃げ出す2人の場面が美しかった。

ワインの場面など、"唇"がとてもエロチックでしたね(あんなことやこんなこと)。

【変な世界】
天井から吊るされた木偶と体位を再現する秀子を見た時は衝撃的でした。ビジュアルはとても素晴らしかったけど、特に発展がなかったのは勿体なかったですけどね。

変態過ぎる上月叔父と藤原伯爵のラストのやり取りが面白い!残虐なのに笑えるのは、チョ・ジヌンの飄々した個性と、なぜかハードボイルドなハ・ジョンウの男臭さのギャップでしょうか?

男ならみんな思うけど、藤原伯爵、ちん○を守れて良かったね。

大ダコを見た時は爆笑でした!どうするつもりだ~

スッキのおばさんの顔が絶品(片桐はいりみたい)。印象に残った。

和服に高島田の出で立ちは、あの場面で違和感と失笑しかなかったです。

【日本語の世界】
全編、日本語で飛び交う淫語。美女が言う度にゾクゾクするけど、普通の日本語での会話が聞き取りにくく、話が理解できないところが多々ありました(字幕が欲しかった)。

本格的な美術、美しい画面、官能と猥雑、嘘と誠…話題になってヒットするのも頷ける怪作。

僕は世界観は好きだけど、日本語が聞き取りにくくて興醒めし、エロさも話も中途半端で今一つ。はまれなくて残念です(-_-;)

復讐なら、上月叔父を拷問機で縛り付けながら、屋敷に火をつけるくらいでないと納得できないかな…あと覗き穴をもっと活用して欲し…

これ以上書くと、僕の変態ぶりが露呈するので…この辺で(とっくに露呈してますかな?)。
TakaCine

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