鹿江光

お嬢さんの鹿江光のレビュー・感想・評価

お嬢さん(2016年製作の映画)
2.7
≪55点≫:エロティックな反逆。
んん~勝手に期待値を上げといて何だけど……いまひとつ心に深い爪痕も残さず、不完全燃焼な衝撃で終わってしまったなぁ。
個人的に『オールドボーイ』『親切なクムジャさん』『渇き』あたりの印象が強すぎて、「こりゃあ観なきゃ!」っていう感じだったのだが、いざ蓋を開けてみれば、性描写も控えめ、グロも控えめ、むしろ言葉の表現でR-18が設けられたような、絶妙に中途半端な描写だった。
話の流れも、二転三転するシナリオにそりゃあ多少の衝撃もあったが、それを知ってしまえば、特に後に残るものは薄い。誰の思惑で誰が狂い誰が勝つのか、そんな構造があるにも関わらず、そこまで緊張感もない。食い入るような魅力が薄い。
性描写も『アデル、ブルーは熱い色』を観てしまっていると、何てことないしなぁ……笑
パク・チャヌク監督作品ってこんなんだったっけ……。もっと攻撃的でえげつない印象だったけど、本作はなんとなく保守的に思える。つまり物足りない。
個人的に一番クールに感じたのは、地下室にでっかいアイツがいたことくらいかなぁ。詳細が語られぬ変態性に想像が膨らみ、ドン引きしながらもゾクゾクと興奮してしまう。
鹿江光

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