Yoko

お嬢さんのYokoのレビュー・感想・評価

お嬢さん(2016年製作の映画)
3.7
日本統治下時代の韓国。
お嬢さんと彼女の叔父が住む大邸宅にメイドとして働くことになった彼女の計画は…。


佳作。
三部構成の今作、第一部でつまびらかにされない箇所を絶妙に回収する流れが素晴らしい。
上手い省略をしており、初見では省略している箇所はおろか、省略されていること自体にほとんど気づくことができない。
「朗読会」や「精神病院」なんかは『ドグラ・マグラ』的世界観を踏襲しているのだろうか。

難点だったのは、お嬢さんの日本語。
演じるキム・ミニさんは相当日本語頑張ってるなぁというのは分かるのだけど、どうしても日本語話者の立場からすると、見せ場である「朗読会」の話の内容が入ってこない。
アクセントや発音が気になってしまい、ほとんどギャグに転じているところも(もしやそれが狙い?)。
他にも日本語を話す人物は大勢いるのだが、彼らは人物設定の妙で日本語のクセを容認するやり口なので、その設定は良かった(外見は京極夏彦、中身は団鬼六というエロ親父上月のキャラも最高)。
しかし、お嬢さんだけはもう少し日本語にクセを残さないようにしないと、正直なところ作中の世界にのめりこめない。
ここは韓国語が達者に扱える日本人をキャスティングしてもよかった。
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