ウサミ

お嬢さんのウサミのレビュー・感想・評価

お嬢さん(2016年製作の映画)
4.3
詐欺師が莫大な遺産を抱えたお嬢さんを騙そうとするっていう話。
そこに愛情や憎悪など様々なものが絡まり、奥深いエンターテインメントとなっていた。

女性とは何とも賢く強く残酷なのだろう!

女性というものを、性欲を満たすモノや手段として消費する男たちの醜さ。変態的でドス黒く底の知れない性癖はもはやサイコスリラー。
しかし嫌悪感バリバリの男どもの性癖に、なぜか興味が引かれちゃうのも醜い男の性なんですよね〜ごめんなさいね〜
正直、前のめりで観ちゃいました。

残酷で狂気的な世界を「駒」のように動く女性たち。同じストーリーを違う視点から写すことで、散りばめた伏線や謎を一つに繋げていくのが鳥肌モノ。

残酷な世界に生きる哀れな女の物語…

もちろん、そう簡単な映画ではありませんでした。

やっぱりね、ちゃんと死んで欲しくなるんですよ。男たちがね。キモくて。それがやっぱ面白さにつながってくる。

韓国らしいダウナーな雰囲気なんですが、観客の感情を揺さぶりながらキチンとエンターテインメント映画として盛り上がって行き、最終的には楽しかった!!と思えるような映画でございました。

やがて2人の女性が織りなす官能性たっぷりのセックスシーンは、もはやエロシーンではなく感動シーン。なんかもう、美しいというか、めちゃくちゃエモーショナルというか、もはやカタルシスですよね。ヨッシャーー行ったれーー!!!的な。
必見です。

サスペンス、スリラー、バイオレンス…
とにかくエンタメ映画に欲しいものが沢山ありました。
何より、映画の中の「違和感」や「嫌悪感」の演出、そして心の機微を見事に表現した演者たちが本当に素晴らしかった。

やっぱ脚本の面白さは、韓国映画ホンマすごいなぁ。
ウサミ

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