Kota

セールスマンのKotaのレビュー・感想・評価

セールスマン(2016年製作の映画)
3.7
“あの時、ドアに出ていれば。”

若い夫婦は、住んでいたアパートが崩れそうになり引っ越しを決意。しかしその家に男が侵入し、入浴中の妻が襲われてしまう。事件を忘れたい妻は警察に行くのを拒否。夫は一人で犯人を探し始めて…。

“別離”に続くアスガー・ファルハディ監督のアガデミー外国語映画賞二本目。殺人、ドラッグ、レイプなどの描写が禁止されたイラン映画としてギリギリを描いている。直接的描写はなくとも会話から事態を想像させる作りであり、それだからこそだれが“嘘”をついていて何が本当か分からないアスガー節炸裂作品。後半のシークエンスは緊張感と胸糞が凄いし、中々に救いのない物語だから好き嫌いは分かれそう。ただ、会話劇だけでここまで面白いのはさすがの一言です。
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