この国の経済状況と社会制度の酷さを見せつけられるアパート崩壊という衝撃的なシーンから始まります
知人に紹介されたアパートに引っ越してすぐに妻のラナが何者かに襲われます
ラナの警察には届けない、世間に知られたくないという気持ちはよくわかります
厳格なイスラム国だけでなく日本でも性被害に対して男性はそこまで重く考えない傾向は未だに残っていると思います
ラナは深く傷つき夫のエマドに救いを求めますが彼は受け止めきれません
エマドはアパート崩壊の時に隣人を助けたり、タクシーで嫌な思いをさせられた女性に対しても「前に嫌なことがあったのかも」と思えるような人だったのに、妻がこんなに苦しんでいるのに加害者がのうのうと普通に暮らしていることに怒り復讐心を燃やします
エマドには責められても何があろうと妻を受け止めてほしかったと残念な気持ちになりました
劇中劇の『セールスマンの死』とどう関係があるのかわからなくてストーリーをサクッと調べたのですが結局よくわかりませんでした
同監督の『別離』と同じくスッキリしない終わり方でいつまでも後引く感じでした