さりさり

セールスマンのさりさりのレビュー・感想・評価

セールスマン(2016年製作の映画)
3.8
重い!
暗い!
後味悪い!
メンタルやられそうな三大要素。
なのに、あ~、もう何故だろう…夢中で観てしまった…。
初アスガー・ファルハディ監督。
これはクセになりそう。

引っ越したばかりのアパートで、夫の留守中に何者かが侵入、妻が暴行され、大怪我を負ってしまう。
体の傷と心の傷、それはなかなか癒えるものではない。
事件を忘れて、そっとしておいてほしい妻と、犯人への復讐に燃える夫。
二人の思いのすれ違いが、夫婦間に少しずつ溝を作ってしまう…。

爽やかな日曜日の朝から観る映画ではなかった。
反面、休日でなければこんなにもじっくり作品を味わえることは出来なかっただろう。
揺れ動く夫婦の心情を、実にリアルに繊細に描いていて、観ているのがとても痛々しく、本当に辛かった。

問題の暴行シーンは映像には流れない。
だからこそ、色々な想像をかき立てられる。
女性にとって、あまりにも非道な行為。
許したくない。

意外な方向に展開するストーリーに鳥肌が立った。
そしてモヤモヤで大爆発しそうな終盤。
あ~、それなのに、それなのに…すっかりハマってしまったアスガー・ファルハディ監督。

さて、次は何を観ようかな。
さりさり

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