そうたろう

セールスマンのそうたろうのレビュー・感想・評価

セールスマン(2016年製作の映画)
3.9
初イラン映画鑑賞。この映画は友達と見に行き、観終わった後、ずっと議論をしていた。主人公の奥さんが具体的になにされたのかを映し出していないところなど上手いと思った。途中のセールスマンの死という舞台は妻と夫の気持ちを表しているのも上手いと思いました。そして極めつけは犯人が若いやつだと思わせてのまさかのおじいちゃんだったところだ。あんな階段登るだけで疲れちゃう心臓の悪いおじいちゃんがよくあんな犯行をできたものだ。そしてラストの部分、あれには納得できない人たちは少なからずいるのではないだろうか。僕は終始奥さんにイライラしていた。深い傷を心におってしまったと思っていたら、ラストはおじいちゃんを許してしまう。そして死にかけているおじいちゃんを見て、涙を流し、同情までしていた。さらに夫におじいちゃんの家族に話したら、私たちはお終いだと脅す妻。夫は本当は犯人をボコボコにしてしまいたい。だが、まさかの犯人が死にかけのおじさんだった。あのラストの平手打ち、あれが葛藤と苦悩の上での最後の仕返しだった。その前での夫の娘が、忘れ物はないという言動もなかなか面白かった。1番大事な忘れ物があるだろとおじさんに心から言っている自分がいた笑 あんなに家族から愛されているおじさんが過去にしばしば別の若い女のところに通い、さらに主人公の妻に許されない行為をしてしまったところがあるからこそ僕は許してしまった妻が許せなかった。そしておじさんもラストは自分から言って欲しかった。このおじさんと妻の両者の気持ちも分からなくもないが、ラストはムカムカした気持ちでいっぱいの映画でした。イラン映画は規制が多いということを初めて知った。規制があるからこそあの映画のような過激なシーンがなかったのか、もしくは監督が意図してそういう風に撮影していたのか…。むしろ過激なシーンがないからこそのあの映画が成り立っていると思いました。それにしてもイラン人は美人な人が多いと思いました。笑
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