NEWおっさん

セールスマンのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

セールスマン(2016年製作の映画)
2.5
「被害による軋轢。」

「別離」のアスガー・ファルハディ監督最新作であるサスペンス。タイトルは作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台から取っているが、特にそれが映画の本筋には深く関わってこない。

引っ越し先で妻が何者かに襲われるので、当然犯人探しがメインとなるが、サスペンスとして見れば余り褒められたモノではないかも。詳しくはネタバレで。

それと同じくらい夫婦間の軋轢にも軸を置いている。被害者という立場を最大限に夫に負担させるせいで、徐々に疎遠になっていく。夫も夫で犯人を捕まえるコトに躍起になり、段々とエスカレートしていく様はどこか「プリズナーズ」を思い出させる。流石にあれ程狂気に満ちてないが。

観てる間はそこそこ面白かったが、振り返ってみると結構すぐ終わる話なのに、間延びしてたのかなと感じる。まあこういうのが監督の持ち味なんだけども。過去作品よりかは特に響くモノは無かった。

----------ここからネタバレ----------























サスペンスとして見ると、舞台の役者の誰かや学校の生徒が犯人かと思うが、全く別の視点でどっかの配達屋か、と思いつつ、その配達屋の親父が犯人というポッと出もいいとこなヤツが犯人なのは逆にサプライズだわ。しかもその爺さんとのやり取りがやたら長いし。真犯人が別にいるのかとすら思ったよ。