ふしん

セールスマンのふしんのレビュー・感想・評価

セールスマン(2016年製作の映画)
4.0
家は都市の近代化の影響で壊れ、追われた先の家はオンボロで、妻は何者かによって襲われ。そんなついてないこと尽くしの主人公は、復讐のため犯人を追うが、その過程で周囲に怒りをぶちまけしまい、徐々に彼と妻の関係や、周囲との関係性も崩れていきます。
立派な夫で教師で(あと俳優)だったはずの主人公がそこまでして復讐をしたがっているのは、何もかも失いつつある中で、復讐が成されればすべて解決するかと思っているかのように思えて。痛々しかったです。

アーサーミラーの戯曲「セールスマンの死」とシンクロするような構成になっていたのが印象的でした。夢を抱いて、平凡に生きていたはずなのに。どうしてこうなったんだろう?何を間違えてしまったんだろう?誰もわるくないのに、悪い方に悪い方に流れていってしまう。そんな、すぐ隣で起きうる悪夢がここにありました。
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