ぬーたん

セールスマンのぬーたんのレビュー・感想・評価

セールスマン(2016年製作の映画)
3.6
ファルハディおかわり3杯目!
2009年『彼女が消えた浜辺』(以下、ハマ)2011年『別離』(以下、ベッツ)
2013年『ある過去の行方』(以下、カコ)そして本作2016年『セールスマン』(以下、ルス)と4本を観終わった。監督・脚本がファルなので、どの作品も同じような作風だ。カコだけは過去(カコ)2年前に鑑賞。
2年前にカコを観た後に他の作品も観てみたいとは思わなかったわけだから、それほどでもなかったのだろう。
やはりハマの衝撃が、ベッツ・ルスへと急がせた。
結果としては、このルスは賞は獲っているが、私の好みではなく前作からかなり評価は落ちる。
先ず、出だしから惹き付けない。
だらだらとしてるし、面白くないからだ。
複数の人間が出る話ではなく、主人公の夫婦2人にスポットを当てているため、観ていて緊張感もない。
更に、どうなのよ?と思ったのは、旦那役はハマのアーマドでベッツのホッジャト。あのイケメン。
奥さん役はハマのエリ。浜野絵里っ!
あのカップル、ふたたび。
数年の間があれば良かったが、続けて観ちゃったから、何だかへんな感じ。
たまには違う俳優を使ったら良いのになあ。
でも今作でカンヌ男優賞を獲ったから、やって良かったね、おめでとう。
ストーリーはハマやベッツ同様、事件があって、その後に人間関係が崩れていく、また、サスペンス風に事件の真相を追っていくという作り。
相変わらず心理描写や展開は上手い。
こういう細かな脚本はなかなかない。
更にカメラがいい。
ドキュメンタリーのようなタッチで、臨場感がある。
ただ、やっぱり比べると、ね。
ハマベッツのように身を乗り出して固唾を飲んで観入る、ということがなく、さすがに2時間が長く感じた。
♪なーんでか?それはね~♪
2人の夫婦間の言い合いや心理が、2人という少なさもあるしキャラの魅力と言う点でも物足りず、興味が湧かなかったから。
それと、どこか違和感を感じるシーンや事情が多く、気になってしまう。
想像してみても、あり得るかなそれ、とか思うし、不自然な無理な設定に感じた。
何より、ラストもいま一つ。余韻も少ない。
さて、ひとまずファル祭り終了!
おかわりしたくても、もうファルお櫃は空っぽだしね。腹もいっぱいだわさ。
ハマ>ベッツ>カコ>ルス という順番かな。
徐々に落ちて行っているから、残念過ぎる。
山は下るだけか?
とは言え、すっかりファルファンになったので、自作に期待したい。
頑張れ、ファル!
ぬーたん

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