セールスマンの作品情報・感想・評価 - 90ページ目

「セールスマン」に投稿された感想・評価

yokomazzan

yokomazzanの感想・評価

4.8
「セールスマンの死」の初公演に向けて、準備を進める俳優夫婦。ある日、家に妻ひとりでいる時、第三者の侵入を受け妻は被害をうける。事件の事後処理を進める中で夫婦が今までの関係性から全く新しい展開に直面するという話。この映画は後半になるにつれ、演劇の舞台になっているアメリカ1950年前後と、現代イラン社会という全く異なる社会が驚くほどシンクロしていく。中東といえば、ISなどイスラム教過激派が世界情勢の表舞台を賑わせているが、彼らの社会は欧米と同じ近代化が浸透した社会なのである。夫は教師として、役者として、他人と対話を通じた人間関係を築き、妻も劇団という社会で生きる自分を自己の重要な要素であると認識している。イラン社会の成熟さと、もっといえば日本社会への問題提起までできると言っていいのではないでしょうか?
junpa1

junpa1の感想・評価

5.0
別離以上に高密度でワンカットの冒頭から息の詰まるクライマックスまでダレ場無しのカタルシスも無し。
印象的なところをあげたらキリがないんですが調子にのった生徒のスマートフォンを取り上げるシーンと陽気な子供がいる食卓シーンのマジかよ感がすごかったです。
何回でも見れちゃいそう。

初日トークイベントで彼女が消えた浜辺と繋がりがあると言ってました。
okimee

okimeeの感想・評価

3.8
ぐぐっとさせられる。
だれも彼も表情はかたい。

最後の夫婦の表情ったら素晴らしい。

直接的なシーンは一切ないが故にそれぞれの経験値に基づいて想像させられてしまい、つらい。

カホンとアコーディオンの独特な音楽も良い。
セールスマンの死 読みたい。
kazu1961

kazu1961の感想・評価

3.6
「セールスマン」
2017/6/10公開 イラン・フランス作品 2017-80

ファルハディ監督もイラン映画も初見でした。
アカデミー外国語映画賞を受賞したことと、トランプ米大統領が出したイスラム国家7カ国への入国制限措置に抗議し、ファルハディ監督と主演女優タラネ・アリシュスティがアカデミー賞授賞式をボイコットしたことで観てみようと思い鑑賞。
本作は夫の留守中、妻が何者かに襲われたことをきっかけに、穏やかだった夫婦の生活が一変していくさまを描くサスペンスで、アクションも暴力もないのに緊張しっぱなしで、まったく予想のつかない展開と心理描写はとても素晴らしいですね。
もう少し、イラン映画も観てみよう!!

「別離」「ある過去の行方」などで知られるイランの名匠アスガー・ファルハディ監督が手がけ、2016年・第69回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で男優賞と脚本賞を受賞、第89回アカデミー賞で外国語映画賞を受賞したサスペンスドラマ。
Rena

Renaの感想・評価

4.0
夫役のシャハブ・ホセイニがすごくよかった!!

鼓動が高まり、体がこわばる。
緊迫感溢れる冒頭が素晴らしく、映画の世界に一気に引き込まれました。

疑念・信頼・懐疑・一線

ちょっとした気の緩みや判断ミスが、取り返しのつかない事態になる。
当事者にしかわからない、理解し難い感情。
片や、相手を思いやり充分尽くしているつもりが、もう一方はそれを不満に感じ理不尽な事を言い出す。
歯止めが利かないやり場のない怒りと倫理観との狭間で揺れ動く葛藤など、様々な感情が渦巻いている。

私は、瞬きや呼吸をしていたのだろうか?
後半、息がつまる展開に眼が離せなかった。

夫・妻・加害者
それぞれの立場が交錯し、錯綜する思い。
誰か一人が強く出ると、責められる側の弱い立場の者をかばいたくなってしまう人間の心理。
複雑な思いを抱きながら、鑑賞していました。

"目" が全てを物語るラストの余韻。
夫と妻のまなざしが、忘れられない。
サチコ

サチコの感想・評価

4.5
悲劇が悲劇たる所以は、悲劇はそこでおわることではなく、その加害者、被害者、被害者の周りにまで悲劇を再生産してしまうこと。
その悲劇の広がり方は状況によって違うし、予測不可能なもの。
だからこそ、悲劇を悲劇で復讐する、目には目をといった発想はうまくいかないのだ、といったテーマを、中東・イランの監督が伝える意義はあまりにおおきい。
YosukeIdo

YosukeIdoの感想・評価

3.0
先日のアカデミー賞で外国語映画賞を受賞した話題のイラン映画。

主人公夫婦の、旦那の言動に途中イライラしながら鑑賞しました。

イランの風土なんだろうか。

男が女に「触れる」という描写がない。

特に事件の後なんか、奥さんには大事な人との肌の触れ合いで安心させてあげてもいいんじゃないだろうかと思うのですが、とかくつっけんどんな印象。

どう接したらいいか分からないフラストレーションが犯人探しに向かって行く様は観ていてサスペンスフルでした。
marimo

marimoの感想・評価

4.6
直接的な描写は無くても、こんなにも感情を動かされるものなのか。
文化が違えど人の感情の根底にあるものは変わらない。主人公の妻が新居でノラ猫に声をかけるシーンがある。このシーンでイランという国が分からなくても、自分の生活と何も変わらない日常が伝わってくる。そこらからは主人公たちの揺れる感情が隔たりなく入ってくる。
セリフで語ることなく、役者の表情や映像で繊細な感情を表現している。後味が決して良いわけでは無いが、これは見るべき一本。

主人公の妻を演じる、タラネ・アリドゥスティがとても美しい。日本でも人気が出そうな美人さんでした。
何を間違った?どこからやり直せばいい?そんな思いを張り巡らせるが、答えが見つからない。

本当のあなたはどれ?という本作最大の疑問に、“別人”に変わりゆく夫婦を最後に映すのは最高の皮肉であったと思う。

蚊帳の外の連中がお節介さんたちなのは毎度変わらないし、フラグを立ててみては無駄に終わる。
サスペンスと報復要素が加わっただけで、テーマや構成は『別離』。
相手が望むこと、自分がしたいことの乖離。
壁に走る亀裂。首実検のようなガラス越しの部屋。
文字通り演じ続ける夫婦。
夫や妻の行動のそれぞれが理解でき、イライラはしなかった。
だからこそ余計に縮まらぬ距離と平行線に哀しくなる。
余談だが、Bunkamuraのル・シネマは傾斜が緩いので、座席は列ごとにずらしてはあるものの、前列、前々列の人の頭で字幕が読めずすごいストレスだった。たぶんもうここには来ない。