セールスマンの作品情報・感想・評価 - 97ページ目

「セールスマン」に投稿された感想・評価

イランの映画です
アカデミー賞外国映画部門受賞作品です
サスペンスものではなくて夫婦の愛とはという感じでした。
「セールスマンの死」(アーサー・ミラー)の作品とかぶるテーマだそうです。
主演の女優さんがとても美人でした。
mahalo3

mahalo3の感想・評価

3.6
試写会にて。

暴行事件に巻き込まれた一組の夫婦。
事件後の妻の思い、夫の思い、両方の気持がわかるだけに、クライマックスの展開にはやり場のない深い喪失感が。そしてその余韻のままエンドロール。
公開後にもう1度見たい。
試写会にて鑑賞。
性暴力被害者の心理を丁寧に描写し、徐々に食い違っていく夫婦の様子を巧みに描いている。

「性暴力を受けた」という直接的なな台詞や視覚的描写を一切せず、その事件の詳細な出来事は全く語られないことで、周囲のキャラクターだけでなく観客までもが「本当に性被害に遭ったの?」「どんな事があったのか?」と懐疑的かつ好奇心をもって鑑賞させるつくりは、まさに現代の性被害の構造そのもの。
それを観客に共感させることによって体験させてしまうのだから、この作品は大変に高度な技術をもって表現されていると言わざるを得ない。
更に言えば、この作品で描かれている問題は国の文化や思想を問わず世界共通の問題と構造をもっている、ということまで証明してしまったのだから、本当に強いメッセージを含んだ映画である。

映画の力の凄さを改めて実感させられるとても素晴らしい映画でした。
eigayou

eigayouの感想・評価

3.5
これもあるし、逆もあるだろうな。
トラブルに、いい対処も、悪い対処も無い。
OBACY

OBACYの感想・評価

4.0
妻を襲った暴行事件を機に、夫婦の生活をは一変してしまう。夫は犯人を探し、妻は事件を忘れようとする。2人は事件に対してどのような答えを出すのか。
イランの巨匠アスガル・ファルハーディーが送るサスペンスドラマ。

突然の他者からの介入によってその日を境に生活が急激に変わってしまう危険性を私たちの生活は常に孕んでいる。その介入の結果にどのように対応するのか、どのように捉えるのかという心理描写が上手に描かれている。

ストーリーの起伏は激しくないがゆっくりと着実に心を震わせる映画だった。結末が読めず、夫婦はどのような答えを出すのか、最後まで目が離せない。
ファルハディ監督はまた上手い事をやる。

夫婦の仮面と演技、疑惑、亀裂に加え、今回は「復讐」の要素を入れてきた。
これがまた「そこまでやるか!?」と非情な追い込みをかけ、後に全く違う効果にするから、監督の才能というか、意地の悪さ(褒め言葉)に流石、と感心してしまう。

冒頭のマンションのシーンで、勘のいい人なら「これから起こる事の比喩」だとわかるし、終盤に舞台が移ってからも、割れたガラスがやたらと目に入る。

きっかけは何にせよ、その後の対応は、どこの夫婦でもある身近な話だ。

クライマックスの部屋から出るシーンなど、後味悪いわ、緊張感あるわで最高でした(褒めてる)

監督作で言うと、1番近いのは「別離」なのだが、もう少しコンパクトな尺なら、なお最高でした。
atsu

atsuの感想・評価

3.9
試写会にて
「別離」に続きアカデミー外国語映画賞受賞、アスガーファルハディー監督作品。

今回もずっしりと重く、エンドロールはやるせない気持ちでいっぱい。
何が正解だったのか、なんて辿りつくことはないであろう。

夫婦はこれからも芝居を演じ続けていくのだ。
試写会にて。

「彼女が消えた浜辺」でもそうだったように、郊外のごくありふれた日常を舞台に設定し、どこまでも現実と地続きな物語でありながら、それを見応えのあるスリリングなドラマに昇華する監督の手腕は、本当に卓越していると思う。

カット割り的にも優れていて、エマッドが教鞭をとる教室や、とっ散らかった引っ越しの様子など夫婦の何でもない日常の一コマにも、セリフと共に現代イランの風土がしっかり滲み出ていて、つい画面に引き込まれてしまった。
乗り合いタクシーやパン屋などやはり中東文化圏独特の雰囲気。

イスラムの戒律を背景に、見知らぬ男に暴行を受けたラナが警察に声高に告発できず、ついにはそれまでの平穏な日常、夫婦や舞台仲間との絆に亀裂が入りやがて崩壊していく様子からは、確かにイラン社会の閉塞感を感じとることができる。
しかし、それ以上に登場人物たちの事件を巡る心理劇に焦点があたっていて、普遍的な人間の欲望、葛藤、憤りを緻密に描いたところがこの映画が説得力をもち、高く評価されることになった要因ではないだろうか。

冒頭から何度も出てくる、A・ミラーの戯曲の、ネオンの光るステージと楽屋のシーンが、主に話が展開する寒々としたアパートと対比されるようで、絵的にもストーリー的にもとても良いアクセントになっている。
実際、象徴的な意味をもっているだろうし、原作を知っている人はアメリカとイラン両国の戦後(イランの場合はイラン革命後)体制の社会の変貌ぶりを重ね合わせて 深読みする楽しみもあるだろう。


ファルハディ作品の常連となっているタラネ・アリドゥスティは、少し年を重ねたけれど、やっぱり美しいし、この難しい役をとても自然かつ繊細に演じていて印象的だった。共演の多いシャハブ・ホセイニとの掛け合いも、すでに円熟の感がある。

同じイラン出身のゴルシフテ・ファラハニやレイラ・ハタミなどと比べても、日本ではまだまだ彼女の認知度が低いように思うが、本国では既に映画、舞台、ドラマに多く主演する国民的な知名度と人気を誇る(インスタのフォローは500万越え!)女優の一人。
この作品と今回の来日を機に、ファルハディ監督同様にもっと注目されるようになってほしい。
まさ

まさの感想・評価

3.5
初めて見るイラン映画。そして、普段はあまり見ないジャンル。

犯人は意外だったけど、見終わった後が重かった。

被害にあった二人はどうしたら幸せになれるんだろう。
小さなきっかけで被害者から加害者になる恐怖も恐かった。
ー

ーの感想・評価

3.9
試写会にて。

とある悲劇によって生じた、夫婦間の心の亀裂が、残酷なまでに描かれる。
二人の暮らすアパートが、突如ショベルカーに取り壊されていく、という序盤のシーンがまさに象徴的。

おもしろかった。

誰がいけないのか、どうすればよかったのか、この後どうなったか、もし自分がこの立場だったら、等々、しばらくぐるぐると考えてしまったし、見た人と色々話し合いたくなる作品だと思う。それこそ夫婦どちらに共感できたか、とか。

様々な感情や思惑が絡み合う中、それでも一番守りたいものは何なのか。ましてや他人のそれを理解することなど可能なのだろうか。事実が明らかになっても、何が正しいかは最後まで分からない。
言葉だけでは足りない、心の葛藤やせめぎ合いを、役者陣の高い演技力で表現していて、最後まで引き込まれた。

ラストシーンでは、人間関係、社会、日常といったものが、いかに危ういバランスの上に成り立っているかを突きつけられたような気がした。

※作品のトーンも空気感も異なるけど、個人的には「フレンチアルプスで起きたこと」を思い出した。あちらも名作。
※「ELLE」の主人公はまったく違う行動を取りそうなので、比較して見たいと思う。公開が楽しみ。