shibamike

ギミー・デンジャーのshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

ギミー・デンジャー(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

The Stooges、イギー・ポップの詳しい話をほとんど知らなかったので、驚きの連続であった。

イギー・ポップのインタビューシーンがふんだんにあり、案外まともな人じゃん、と驚いた。
自分の勝手なイメージではプライベートでも素っ裸で過ごし、骨付きの肉を片手に酒瓶をラッパ飲みしてはゲップを所構わずしているような人だと思っていた。(失礼すぎるか。)
トラ?のTシャツカッコ良かった。

The Stooges時代の話にしても乱痴気話は控えめで(シャレにならないから隠したか?)、バンド演奏やバンド継続に試行錯誤して苦心していたという堅実な話で、これまた驚き。

ジェームズ・ウィリアムスンがシリコンバレーでサラリーマンをずっとやって重役にまでなっていた、というのも驚いた。普通に凄くね?

子どもの頃にテレビで観た児童向け番組での手紙か文章の書き方講座で「25字以内」と覚えてから、それをロックンロールに持ち込む生真面目さ、律儀さ。カッコいい!

「俺の頭に瓶を投げた奴に感謝する。死に損なったから来週またトライしろ」カッコいい!

少年時代、クラスのイケてるグループがイギーの住んでたトレーラーをバカにしたことを受けて、そいつらとは絶交!永遠に許さない!カッコいい!

ロックの殿堂でイギーの演説。「音楽は人生だ。人生はビジネスではない。ロンはそれがわかっていた。ヤツはクールだった。MC5、ヤツらもクールだった。(~以下失念)」カッコいい!クールになりたい!

映画を観終わった後、自分のイギー・ポップ観が崩れ去った。
何故、自分はイギー・ポップに対して変なイメージを持っていたのか。それは音源のブチ切れ具合、YouTubeで観た超絶パフォーマンス、もろもろの影響もあるが、大きく影響しているのはThe Stoogesの3rdアルバム邦題「淫力魔人」。この邦題の強烈さが自分の中のイギー・ポップ観を決定していたように思う。「とにかくとんでもない淫乱で化物みたいなヤツなのだろうな…恐ろしい…チ●コもでかいんだろうな…」とアルバムジャケットのイギーを見つめ恐怖を感じたものである。
かと言ってこの邦題がさっぱり見当外れかと言うと、そんなことも無いと思う。当たっているようで当たっていない。いずれにしても素晴らしい邦題である。

Iggy & The Stooges, Cool!
shibamike

shibamike