ジャームッシュがストゥージズのドキュメンタリーを撮った!ってだけで充分です。
残っている映像自体多くはないだろうから、主にイギーポップの回想を再現するアニメをこさえて間をつないでたりしてて、その遊び心がかわいい。基本的には語り下ろしの自伝ドキュメンタリーなので、ストゥージズや60年代の音楽シーンに興味ない人はついてけないかも。
今までよく見えなかったバンドの生い立ちが初めて理解できた気がする。やっぱり黒人音楽にも憧れたんだなとかパフォーマンスのコンセプトなどもはっきりと分かった。メンバーが次々と亡くなってしまったが、映像を遺せただけでも良かったのかなと。
僕が初めてイギーポップ観たのが’98年のフジロック。その10年後にストゥージズも観れた。演奏中に大勢の観客をステージに乗せるが、その思惑も分かった気がする。
ストゥージズは現在の多様な音楽シーンの引き金になったのだろう。間違いなく当時の若者とミュージシャンの意識を変えた存在。上映中の『アメリカン・ヴァルハラ』も合わせて観たい。