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ギミー・デンジャーのNAOKIのレビュー・感想・評価

ギミー・デンジャー(2016年製作の映画)
3.7
薄暗いライブハウスの中はうっすらと煙が漂っているような感じで訳のわからない胡散臭い連中でごった返していた…
何組かのバンドが出るギグでケンジがギターをやってる「ヒドゥンカッツ」は一番手だ。
突然…観客から怒号が上がる…
「草吸うの止めろよ!警察来るぞ!」
「なんでてめぇ…匂いが分かるんだよ!」
なかなかCOOLな時代である。

村上春樹の「ハナレイ・ベイ」吉田羊の独壇場で良い映画だったけど…おれは何はともあれ冒頭でかかったイギーポップの「the passenger」に持ってかれた…
まさに我が青春の音!

それから…またザ・ストゥージズを聴きまくる…

ジャームッシュの「パターソン」
これも素晴らしかったけどあの中でアダム・ドライバーが犬の散歩の途中でビールを飲みに寄るバーでマスターがパターソンゆかりの人物をカウンターの後ろの壁に貼りまくってた。
そこでイギーポップが選ばれ殿堂入りってシーンがあったけど…
「世界一セクシーな男!」
ジャームッシュもイギーの大ファンなのだ。

そのジャームッシュが作ったイギーとストゥージズのドキュメンタリー「GIMME DANGER」
時おり差し込まれる古い映画のフィルムやアニメがキッチュで…イギー風に言うならば「COOL!」だ。
楽しかったし、おれにはやはりこの世界観はひたすら懐かしかった。

今の人たちにはちょっと理解できないかも知れませんが昔…音楽の趣味で人は差別したし差別された。

今のようにどんなジャンルだろうが良いものは良い…といった風な寛大な時代ではなかった。
「はぁ?お前…あんなバンド聴いてんの?どんな趣味だよ?」
「あんな音楽聴く人たちとは付き合っちゃいけませんよ!」

このドキュメンタリーでイギー自身が「自分はどのジャンルにも属さないし…どのジャンルとも言われたくはない」
と言っていたのが印象的だった。

ケンジのバンド…「ヒドゥンカッツ」はおれが命名した。
ケンジたちが集まってバンドの名前を考えている場にたまたまおれもいて…メンバーではないから最初は黙っていたが…あまりの酷いバンド名候補にあきれて口を出した。
「なんだよ?ドリームチェイサーズって?バンド名なんてちょっと意味がわからないくらいがカッコいいんだよ」
「じゃあなんか候補出してくれよ」
「ヒドゥンカッツ…ちょっとドイツっぽくてかっこよくね?」
「どういう意味?」
「隠れている切れ目…」
「だからなんで?」
「ケンジのズボンのけつが破れてるのが目に入ったからだよ」
「いやぁ💦ほんとだ!やだよケツの破れ目がバンド名の由来なんて…」
「何言ってんだ…ミッシェルガンエレファントなんてダムドの「マシンガンエチケット」の読み間違いだぜ…ストゥージズなんて三バカ大将からとってるんだ…バンド名なんてその程度でいいんだよ」

ヒドゥンカッツはなかなかカッコいいバンドだったけどメンバーの方向性の違いってやつで半年ももたずに解散してしまいました…😁💦

この映画…終わりに亡くなったメンバーに捧げられるんだけどそれが何人もいて悪い冗談みたいで切なくなる…

「GIMME DANGER」
危険をちょうだいって訳すのかな?😁💦
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