YUMI

モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由のYUMIのレビュー・感想・評価

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どーもぉ〜、俺ジョルジオっていいます。レストランとか経営してて、結構成功してんだよね。
でさ、ちょっと前に、店の従業員にアニエスって可愛い娘がいたから手ェ出しちゃったわけよ。
経営者と従業員という力関係もあったし、それにほら、オレってイイ男だから、落とすのも簡単だったわけ。
けどさ、この子と一生を共にしようなんて気はさらさらなかったよ。所詮は頭の悪い尻軽女だしさ、オレくらいの男になれば、もっとレベルの高い女、いくらでも手に入るじゃん。
アニエスにはすぐに飽きたから別れて暫くした頃に現れたのが、トニーっていう男みたいな名前の女でさ、これが弁護士という知的な職業で、見た目もアニエスほどじゃないけど、まあ悪くない。仲間にも自慢できるレベルだったわけ。
向こうもオレに気のある素振りアリアリだったんで、ソッコーで落とした。
万事順調だと思ってたら、ここで落とし穴。
アニエスのヤツがさ、まだオレに未練タラタラで、その事トニーにチクりやがったのよ。
そんでもアニエスとはとうに別れたって言ったら一応納得してくれて、めでたく結婚、欲しかった子供もすぐに授かって、オレとトニーはもうラブラブ真っ盛り。
ところがだよ、ここでまたアニエスだ。
トニーが妊娠したと知って自殺未遂しやがった。
うん、アニエスとは結婚後も連絡取り合ってたよ。だってオレの事忘れられなくて精神的に不安定になってるような可愛い女、見捨てられないじゃん。
しかしトニーはそれでブチ切れ。荷物まとめてでていっちまいやがった。全く女ってどいつもこいつも、なんでこんなに物分かり悪いのかね。別れた女を見捨てない男ってカッコイイと思わねえのかな。
結局そっから色々おかしくなっちまって、それでもオレはトニーを愛してたし、向こうも謝って来たけど、出て行く時にあんな無愛想な態度取られたんじゃ、オレも気分悪いじゃん?
なのでこれからは半分別居婚みたいなカタチを取ることにした。その方が、楽しい時間だけ共有できていいと思ったからね。
そうこうするうち、無事男の子誕生。シンドバッドって名前つけて、それはそれは可愛がった。
アニエスも、その頃には落ち着いて、シンドバッドに会いたいって言うから会わせてやったし抱っこもさせてやった。トニーは不安そうだったけど、アニエスももう大丈夫だし、最初からオレの言う通りにしときゃ良かったんだって思い知ったんじゃね?
でもさ、今度はオレがドジ踏んじまった。
クスリやって意識なくして、知らない女とベッドでグースカ寝てるところをトニーに見つかっちゃったのよ。
その女とエッチしてたわけじゃなくて、クスリのせいなんだって説明したら、「クスリやってた事隠してたの?」と逆にキレられちまった。
仕方ないから、もうクスリとは縁を切りますって約束して、決意の固さを証明するためにカウンセリングにも通う事にしたんだ。
で、もう仲間とのどんちゃん騒ぎもできなくなるし、彼らに励ましてもらおうという意図もあってパーティひらいたのよ。
そしたらトニーの方がそこでおかしくなっちまった。
確かにさ、オレの仲間たちってファッションモデルとかデザイナーとか、華やかで派手な連中だから、育児疲れでやつれたトニーはみすぼらしく見えないでもなかった。
挙句の果てに離婚してくれって言われて、当然出てくるのが親権問題。こっからはもうドロ沼だわな。
でもさ、その後もオレたち、結構上手くやってる。
3人で旅行したり、シンドバッドの誕生日を祝ったりしてね。
離れて暮らす方が仲良く楽しくやれる家族ってのもアリなんだよね。
幸い、シンドバッドもイイ子に育ってるしさ。
な、だからオレの言った通りだっただろ?楽しい時間だけ共有してればいいんだってね。
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