Kou

マリアンヌのKouのレビュー・感想・評価

マリアンヌ(2016年製作の映画)
4.3
もっと評価されてもいい、
というよりしてもらいたい映画。


公開日に彼女に連れられてなんとなーく鑑賞。
ブラピ、老けたけど良い老け方してますね。
コティヤールも映画『インセプション』でのミステリアスな感じの雰囲気が本作でも生かされてて、それが配役に合ってましたね。



この映画の1番印象に残ってるシーンは、
主人公のマックスとマリアンヌが、娘が初めて歩いてるところを観て微笑んでるシーン。

綺麗な野原に綺麗な妻、可愛い子供。
しかしその背景に映っているのは、
墜落し、煙をあげているドイツの戦闘機。

幸せな家庭を描いたシーンのはずなのにどこか悲しさを感じてしまいますね。



上記のシーンを筆頭に、この映画の印象的なシーンには何かしら「戦争」に関係したものが出てくるのが特徴になっているんですよ。

・2人が出会い恋に落ちたのは戦争の最中
・子供が生まれた場所のすぐ近くでの爆撃
・パーティ中に自宅に墜落してくる戦闘機
・前述のシーン

こういった『幸せの片隅にある戦争の悲惨さ』を映画の中にうまく取り込んでいたのが、とても良かったですね。



もちろん本作は実話ではなくフィクションです。
しかしこの映画と同様に、第二次世界大戦中、敵国同士の男女が知り合い、戦争中に密かに恋愛関係となってから大戦後に結婚したケースは実際かなりあったそう。
なので、あながち実話じゃないと言い切れないのかも知れないですね。



『戦時中に失った命』と『戦時中に生まれた命』
『愛するがゆえの信頼』と『疑惑』
対比が見事な思慮深い映画です。
まだ観てない方はぜひ!
Kou

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