グラッデン

マリアンヌのグラッデンのレビュー・感想・評価

マリアンヌ(2016年製作の映画)
3.7
第二次世界大戦の最中、諜報活動を経て恋に落ちた男女の物語。

ロバート・ゼメキス監督の最新作。同監督作品ということを意識せず見に行ったのですが、時代の雰囲気を伝えんとするスクリーン上の説得力は抜群だった点は、特徴的とは言わないまでも「らしさ」を感じました。

物語を振り返ると、サスペンス要素等も含めてドラマチックなお話ではありましたが、鑑賞者の意表を突くような展開ではなかったと思います。サクサクと物語が進んだ感じで、終わってみれば王道に近い展開であったかもしれません(しかしながら「ブラ泣き」はできず汗)。個人的には、もう一捻りは欲しかったという気持ちはあります。

また、作品のアプローチからは、過去の名作に対するリスペクト等が随所に感じました。『ラ・ラ・ランド』においても感じましたが、技術の進化に伴う大作映画の傾向に対する反動なのか、懐古主義というかルネサンスのような流れというのは出てきているのか、この点は最近気になっているところです。

上記のアプローチを前提にすると、キャストが光る「スター映画」として成立していたと感じました。
マリアンヌ役のマリオン・コティヤールは、近年でも『サンドラの週末』等の出演作を結構見ていた方ですが、本作の役所もあって私的に印象がガラッと変わりました。
また、近年では曲者や男気溢れるキャラを演じている印象が強かったブラッド・ピッドが、正統派のカッコイイ役柄を演じていたと思います。数々のフィルモグラフィを重ねたうえで、こうした立ち位置を演じるというのは逆にスゴイことではないかと。