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マリアンヌのyutaのレビュー・感想・評価

マリアンヌ(2016年製作の映画)
3.7
予告編などで結構、ネタバレがあると聞いたので前知識無しで鑑賞しました。(ミスリード的な予告編で良かったです)

まず、原題が秀逸。Alliedというタイトルですが、3通りの意味があり、一つ目は連合国、二つ目は同類、そして三つ目はすべて嘘。映画を観終わってからだと感慨深いです。
でも、日本のタイトルも自由の女神と呼ばれるマリアンヌなので嫌いじゃないです。

舞台は戦時中、40年代のナチス侵略下のフランス。
フランスの街並みやクラシックカー、服装はその時代を反映していて、良かったです。冒頭などでのCGの砂漠も中々壮観でした。

キャラクターは基本、ブラッドピットとマリオンコティヤールだけなので、わかりやすいです。その2人は同じ国のスパイで、その出会いから結婚、妊娠までを描いていて意外と長いスパンだったので、驚きました。そこが少し長く感じるところでもありました。

でも、主役2人のスパイ同士の会話が面白かったです。
夫婦の普通の会話を(ラブラブで洒落た)、スパイなので偽装のため、敢えてそう喋っていたり、でも時折本音も混じったり、そしてそれをちょっと本気で捉えたり。
こんな会話のキャッチボールが前半続くので、可笑しさがあって良かったです。
マリオンコティヤールの神秘的ながらも温かみある母親役も良かったです。
でも、それだけじゃなくてブラピがナチスの将校を首絞めする魅力的なシークエンスや、銃撃戦などアクション要素も一応あって、飽きませんでした。

後半になって驚きの展開も、この系統の映画ではベタ展開だなと思ったのですが、後に調べて実話ベースなので驚きました。

愛するものが実は裏切り者というハラハラドキドキなサスペンス要素と、スパイという映画にするにはベストな職業、豪華で強力なキャスト陣、ちゃんと泣かせにかかる演出。
THE映画的な要素を詰めに詰め込んだ映画でした。

ちなみに一番良いなと思った所は、車中の全てのシーンです。車の中だけは純愛に包まれていて、誰も冒ぬ聖域を表しているようで心打たれました。特に、ラストでは、重要なシーンだったので尚良かったです。

”2人の人間が愛し合えばハッピーエンドはありえない”
まさにそんな映画でした。(でもその過程は...)
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