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マリアンヌのpikaのレビュー・感想・評価

マリアンヌ(2016年製作の映画)
4.0
うぉぉぉぉ!いい映画だったー!
空中2回転半捻りみたいな映画だった。(言葉の意味はよくわかってない)
どう転ぶのか、どういう方向へ向かってるのか見ている間中ずっとあやふやなまま緊張感だけが持続し、勘繰って勘繰ってゼメキス監督の手の上で転がされながら美しくストレートな着地に驚かされ、ウルルと目の乾きが潤されるほど感情を揺さぶられた。

オープニングから詳細な設定説明なんぞタルそうなところはスパスパ飛ばして一つのショットで多くを語りながらガンガン進行していくのが良い。
前半のロマンスもスパイ活動もベタだろってな感じでサラリとクールに展開させ娯楽作に振り切ってる演出も良い。

ブラピとマリオン・コティヤールの示唆的なショットの対比が非常に面白い。
全編マリオン・コティヤールの魅力的な演技を一挙一動逃すまいと意図的な演出をしていて、台詞や行動に注視させるよう誘導しながら緊迫感を煽られる。
彼女に対するブラピの反応がドラマを引っ張っていて、スパイのくせにバレバレなほど狼狽していてヒヤヒヤしたり、冷静な駆け引きなのか感情なのかの狭間で行動していく様に、見ているこちらの感情や思考を揺さぶられ、娯楽作として満遍なく喜怒哀楽を味わえた。

ハリウッド娯楽大作にしては言語をごまかさずキチンとそれぞれが話す言葉を使わせているところはかなり好印象。
鏡の使い方や映像で繋ぐシーン転換演出などクラシカルな演出も美しく素敵だった。ゼメキス監督の演出好きだ!
でも砂嵐の中の車内セックスはどうよ、笑っちまった笑
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