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マリアンヌのRのレビュー・感想・評価

マリアンヌ(2016年製作の映画)
4.6
ゼメキスの新作マリアンヌが公開されたとき、ブラピとマリオンコティヤールのポスター見て、キャッチコピー読んで、何や、ラブストーリーか、これは見に行かなくていいか、と思っていたが、見たいと言ってる人がいたので、まぁ、ほんなら、と軽い気持ちで見てみたら、何と! 非常に素晴らしいゲキ渋サスペンスで、グイグイ引き込まれた! ラブストーリーな面もあるんやけど、サスペンス色の方が強い。ストーリーの前半は、フランス領モロッコはカサブランカを舞台に進んでいく。フランスを脅かすナチスドイツの大使を暗殺するミッションを与えられたスパイのマックスは、女スパイ・マリアンヌの夫役を演じながら、ふたりで少しずつ標的に近づいていくのだが、周囲の目を誤魔化すのに愛情たっぷりの夫婦を演じてる間に、ほんとに愛し合うようになってしまう。こいつらアホやわ。砂漠に出かけて行ってカーセックスするシーンは大変良かったですね。愛が盛り上がるにつれて外がゴーゴー砂嵐になってく大袈裟さ。かなり笑える素晴らしさ。そして、生き残れる可能性が非常に低い、暗殺ミッションの実行デー、果たしてふたり共サバイブできるのか⁈ まぁできるわな、ってとこで映画半分くらい。ここら辺まではよくあるスパイ物と言えるんやけど、この後ラブサスペンスの要素が色濃くなっていく。後半は、様々に出てくる人物のうち、誰がホントのことを言ってるのか判然としないジリジリとした緊張感が続き、疑惑に次ぐ疑惑を見事な演出で盛り上げていく。特にお家でのパーティーシーンは、すべての疑惑がピークに達する大変にエキサイティングなシーンで、宝石屋の押売りや飛行機の墜落も含めすべてがミステリアス! クライマックスにおいては、いくつかマリアンヌの視点のショットがあり、それらがもーたまらなく極上にスリリング。宝石屋さんのと最後の飛行場のとね。で、あっと驚くものすご衝撃的な終わり方。隅々まで余裕たっぷりの円熟した見事な演出がほんとに素晴らしかった。映像の美しさも含め、大人な娯楽作品として、申し分ないのではなかろうか。えっと、一応、いろんな意味で気になった点を挙げておくと、ブラピおじいさん手前な感じが出てきたなー。マリアンヌいろいろセンサー利き過ぎてこえええええ、女の抜け目なさ。そりゃこんだけセンサー利いてたらね、自分のことに関してもどんだけでも隠せるわな。あと、ミッション遂行時のドイツの女の友だちのリアクションが素晴らしかったのと、ベイビーシッターのババアが最高やった!!! 結構また見たい気がしてる!
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