TAK44マグナム

キャビン・フィーバーのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

キャビン・フィーバー(2016年製作の映画)
3.5
パンケーーーーーキ!!!


イーライ・ロス製作の、謎の伝染病で身体が腐り、そのせいで人間関係までもがズタズタになっちゃう山小屋ホラー。
イーライ自身が監督した2002年のオリジナル版のリメイク作品になります。

細部に違いはあれど、ほぼ完コピに近い内容。
脚本はイーライ・ロスなのですが、本当に?と疑ってしまうぐらいイーライ・ロスっぽい毒気が抜かれて、非常に生真面目に真似してみました、という感じです。
意味がないと思われたのか、役者に素養がなかったのか、有名な(?)パンケーキカンフーはありませんでした。
実際、意味なんて無いのですが、あれがあると無いでは何故か大分違いますね。
ああいった、ケムに巻いて目を点にさせるお遊びも必要じゃないかと思うのですけれど、その代わりかどうかは知りませんが本作には「13日の金曜日」のジェイソン坊やが襲ってくる場面みたいなのが用意されています。

せっかく頑張ってオリジナル版を踏襲しているのですが、リメイク版ならではのウリが見当たらないのは致命的。
数少ない変更点も、そんなに効果的かというとそうでもありませんし・・・。

オリジナル版からして容赦のなさが素晴らしかったので、そうとうゴア描写等も頑張らないと超えることは難しそうなのにもかかわらず、これもコピーに過ぎないんですよね。
カレンの血まみれ腐り具合はオリジナル版の方に軍配が上がりますが、一方のマーシーの感染は、よりショッキングになっているような気がしました。
でも、どうせなら感染ワンちゃんに食い殺されるのをドーン!と見せて欲しかった(そういえば、同じ犬でもパンケーキはすぐ死んだのに、ドクターマンボーは狂犬になって元気100倍でした。何か違いがあるのでしょうか)。
でも、チンコと同じで乳首が取れちゃうって女性にとっては最大級のショックなんでしょうね。
カレンは股間をまさぐられている時に発病するし、あるフォロワーさんも言及なさってましたが、何故か女性キャラのほうが伝染病描写が入念でドイヒーな気がするのは気のせいでしょうか(汗)


オリジナル版と比べると、映像の綺麗さ以外はパワーダウンしているのが否めません。
空気感が違うというか、この山小屋ホラーには2002年のイーライ・ロスにしかだせなかった雰囲気がベストマッチだったような気がしてならないのです。

ただし、オリジナル版を知らずに本作だけを観るのであれば、これはこれでグロリンチョ系ホラーとして普通に良くできているので全く問題なく楽しめると思います。
どちらか一方だけしか観ないというのであればオリジナル版をオススメ致しますが、何でも新しいにこしたことはないという主義の方なら本作だけ観ても何ら問題ないでしょう。

オチに関しては、オリジナル版と終盤の展開に差異があるので少し変更されているのですが、これはオリジナル版の圧勝ですね。
本作の描き方だと悪意が弱過ぎます。

それと、SNSを使ったオマケは蛇足。
と言うか、あの画像、撮ってたの?しかも送信できたの?
いやいや、あの状況でそれは無理すぎるのでは?
現代風な何かを挿入したかったのかもしれませんが、田舎の山小屋から意識を離れさせたらダメなのが「キャビンフィーバー」という映画だと思いますけれどね。


それにしても、これだけ映画で田舎に行ったら大変な目にあうって描かれ続けているのに、どうしてみんな週末に山小屋やらキャンプ場やらにこぞって行くのでしょうか?
ビールやハッパやセックスのため?
気が知れませんね!
だって、田舎に行けば確実に殺人鬼かモンスターか幽霊か何かに襲われるんですよ?
みんなもっと本作や「死霊のはらわた」、そして山小屋ホラーの集大成みたいなケッ作「キャビン」を観て危機感を鍛えたほうがマジで長生きできますよ!


NETFLIXにて