各国でリメイクされている韓国映画の『怪しい彼女』のベトナム版。シネマカリテの「カリコレ」の上映で鑑賞。同作品は日本版、中国版もある。
2016年4月に公開された日本版にとても感動して、2回観てしまった。とにかく歌にやられた。特に『悲しくてやりきれない』を多部ちゃんが歌うシーンが心に刺さってしまった。
韓国版、中国版は観ていないけど、70歳くらいのおばあちゃんが20歳くらいに若返り、孫と一緒にバンドでブレイクするという基本的なストーリーは同じではないかと。ベトナム版を観る限り、シーンも結構同じ。
なので、見所は歌とヒロイン役の女優さんの演技ではないかと。
歌は、自分的にはやっぱり日本版が良い。歌詞にやられている部分が大きいから、外国の歌に比べると、日本版が一番心に響かざるを得ない。これは韓国版、中国版の歌を聴いても変わらない気がする。
とはいえ、その国の人に響く歌を知るというのは良いもので、感動の本質は似ている気がする。
女優さんはタイプが違うから、甲乙つけがたいし、そこが面白く、同じストーリーでも飽きないところだと思う。
ベトナム版の女優さんは、どちらかと言えば歌手や声優で活躍していた人。監督に2番目に考えてた人とか言われ、本国では「この人が女優はどうかな」とかみられていたらしいけど、とても良かったと思う。
多部ちゃんでは考えられないような演技もあったりして、良い意味で個性を発揮していたのではないかと。歌は多部ちゃんみたいな繊細な感じではなく、さすが歌手!というような、危うさのないしっかりした感じ。
あと興味深いのが、ヒロインが苦労した戦争の違い。日本版は第二次世界大戦で、経験者も少なくなっているから、実感が薄れがち。
一方、ベトナム版はベトナム戦争の記憶がまだ生々しく、浮かれる若者を説教するシーンに迫力がある。平和はおじいちゃん、おばあちゃんの苦労に上に成り立っているのだと。
(ちなみに中国版は大人の事情で、苦労した戦争が何なのか、よくわからないらしい。)
トークショーの情報によれば、現在インドネシア、タイで撮影中。ドイツや北米でも製作予定があるとか。北米ではヒスパニック版と黒人版があるらしい。
トークショーでも話題になっていたけど、北米の『怪しい彼女』はどんな歌を歌うのかしら。とても興味深いし、公開されたら観てみたい。