ガブXスカイウォーカー

ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOSのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

3.8
主人公は前作『ゴジラ×メカゴジラ』は機龍(メカゴジラ)のパイロットの家城茜(釈由美子)だったが、今回は縁の下の力持ちである整備士、中條義人(金子昇)だ。義人の機龍へのひたむきな愛情が本作の主軸で、なりゆきとはいえ、整備士が機龍に乗り込み、ゴジラに挑み、そして機龍の心を知るのは一捻りあって悪くない。でも、機龍が義人の脱出する時にコントロールパネルに「SAYONARA YOSHITO(さようなら義人)」と表示するのはやり過ぎでシラケた。
前作『ゴジラ×メカゴジラ』が非常にシンプルだったので、今作のモスラ親子、小美人(ザ・ピーナッツに変わって大塚ちひろ・長澤まさみ)、中條信一(小泉一)とその孫の瞬は余計な要素に思えるが、特撮ファンとしては小泉博が『モスラ』(1961年)と同じ役で出演しているのは感動するし、死滅するしかないと思われたインファント島と小美人が2003年でも生きていた設定は嬉しい。カメーバの死体が登場するのもマニアックだ(スタッフの平成ガメラへの対抗意識と言う説もある)。
残念なのはヒロイン、如月梓(吉岡美穂)のキャラが大して立っておらず、あまり可愛く写ってないことだ。まあヒロインは小美人なのかもしれない。
特撮技術の進化による怪獣たちの戦いは迫力満点だ。特撮技術の限界があった『モスラ対ゴジラ』(1964)とは隔世の感がある。本作はゴジラ、モスラ、機龍と言う異色の組み合わせの怪獣バトルを楽しめる秀作であろう。