菩薩

カドリーユの菩薩のレビュー・感想・評価

カドリーユ(1937年製作の映画)
4.7
おっそろしくよく出来た恋の鞘当て合戦。皆が多少の罪悪感とその残りの余地を全て開き直りに当てながら、何事にも一理あるの一理の方を後ろでは音を立てて崩れゆく石橋を爪先立ちで叩きながら進み、結局はもう始点には戻れぬ終局へと向かっていく。途中ギトリは恋人にハンケチを差し出し、それを彼女はぐっちゃぐちゃに丸めて絡めてしまうのだが、それをギトリは巧みな手さばきで解き、本来そこにあるべき胸ポケットへと納める、まさにそのような作品である。経験則と自虐、諦観、そしてなにより運命に左右される4人の恋の行方、最後はなんともロメール『友だちの恋人』の様に鮮やかに、走り出せあらかじめ決められた恋人達よ、どうなっても知らないがなw自由の国フランス万歳。にしてもギトリの当時の嫁さんがエロ綺麗すぎる、芸人がモテるってのと同じ理屈な気がしてならない。
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