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カドリーユのpikaのレビュー・感想・評価

カドリーユ(1937年製作の映画)
4.0
ラストの収束、個人的にあーいうの大っ好きなので最高に気持ちよかった!
もういいっちゅーねん!ってくらいベラベラベラベラよく喋る相変わらずなギトリ節。印象操作しながら不貞の言い訳を歌うようにキラキラと語る女優と、それに対して冷静にひとつひとつ結び目を解いていくギトリのやり取りが秀逸で面白い。
突然やってきたハリウッド俳優のキャラ感とかステレオタイプな感じがありつつ憎めぬどころか確かに魅力的な印象を植え付けるし、正反対なギトリのキャラとの対比も見事で、年齢相応のキャラクターへと当て書きして個性を生みながら、ベタな男女の艶話をキャラ性と会話劇で魅力的なドラマにしている。
女性陣も夢見がちな女優と恐ろしく冷静な記者ってんで対比になっているし、それでも恋をすれば皆同じ!な浮き足立った雰囲気があるあるな感じで愉快。
下世話なドラマだが共感を誘いながらも上品に包み込んでいて面白い。

「同じ説明でも人が話すと印象がガラリと変化する」と発した台詞そのままに、同じ話が何度も繰り返されていくにも関わらず、いや繰り返されることで語り手が変わる面白さがあり、言葉選び、文章センス、配置の妙など、言葉だけを抜粋しても楽しめちゃう脚本力も凄いし、
場面転換によるリズムが映画を躍動し、人が喋る仕草や言葉の隙間に表情以上に人物像を語らせる演出力が、映画でなければならない魅力を浮かび上がらせていて面白い。
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