mat9215

デジレのmat9215のレビュー・感想・評価

デジレ(1937年製作の映画)
4.0
屋内の場面が中心だから演劇的というわけではない。ショットの選択やその連鎖が極めて映画的だ。登場人物たちの夢が立て続けに描かれる場面の鮮やかさのみならず、会話場面でも唐突な切り返しがあったり、イマジナリーラインの左右から撮ったり、工夫がたくさん。耳の遠いご婦人を迎えた晩餐では、食卓の真上からのショットが意表を突く。サッシャ・ギトリは演劇人である以上に、映画人だ。たとえば、『イニシェリン島の妖精』の演劇臭さとは異次元の境地。
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