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デジレのpikaのレビュー・感想・評価

デジレ(1937年製作の映画)
4.0
「デジレ」ってdesireで願望って意味でフランス語だとdesirだから違うけど話的には合ってる。
オープニングがめちゃ粋!
前職で問題のあった召使いデジレをギトリが好演し、雇い主である主人をジャクリーヌ・ドリュバックが演じていて、前職の問題を聞き雇用を拒否されるところをデジレは口八丁で難を逃れる。そのシーンのドリュバックは演技ではなく本当に笑ってしまってるかのようで可愛いし、上流階級の淑女であるのだけれども親しみやすい愛嬌がたっぷりで魅力的。
なるほどドリュバックはギトリの3番目の奥さんなのか、彼女の魅力を余すどころか引き立てまくる演出に納得。
若いアルレッティが小間使い役で出ていて新鮮!

主人と召使いが互いに性的な願望を抱いてそれが夢という形で現れて周りにバレつつアタフタしてるのが楽しいし、クライマックスのディナーシーンは最高に面白い。
召使い達がご主人たちの陰口を叩くが主人たちも招いた奥様の耳が遠いのをいいことに目の前で好き勝手言ってて、願望しかり階級が違ってもおんなじだってのが面白い。

中盤までは秘めたる願望云々ってのがダラダラしていてあんまりハマれなかったんだけど、ラストのデジレによる演説が言い回しから内容からめっちゃ面白くて、これがやりたかったんだと納得しつつクソワロタ。全然共感できないんだけど、できないことをできなくても良い!と突き抜けたギトリの「願望」にワロタ!笑
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