次郎

ブンミおじさんの森の次郎のレビュー・感想・評価

ブンミおじさんの森(2010年製作の映画)
3.7
接続すること。の映画だった。プンミおじさんの人生に、その過去を、かもしれない前世を垣間見ること。これまでに出会って、もう出会えない人に接続すること。死んでから出会ってしまうこと、そして、自分自身に出会ってしまうこと。接続を繰り返す表現は、その接続点の境界線を次第に曖昧にしていき、梵我一如、人も自然もひとつの世界へと結び付いていくはずなのに、ラストでふっと現実に呼び戻される、然り、悟りなんてそんな簡単に到達できるものではないのだから。感情的な盛り上がりを徹底して排した構成は退屈と紙一重なんだけど、それでも見続けた時のうすぼんやりと印象が驚くほどに引き剥がせない。
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