Siesta

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のSiestaのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ジャンル的にはホラー映画なのかもしれないけれど、実質的には、未知の“それ”に負け犬たちが立ち向かっていく青春映画という印象
「ストレンジャー・シングス」がスティーブン・キングからの影響をモロに受けていたのに対して、今作は本家原作で「ストレンジャー・シングス」を逆輸入したかのような仕上がり 未知の存在に家族や友人を連れ去られ、子どもたちだけで立ち向かっていく展開、ルーザーズ・クラブに女の子が1人入ってくる展開はほぼと同じだし、フィン・ウルフバート出てるし
窓に書いた笑顔のマークが消えるという示唆的な始まりからのビルの弟が行方不明に ヘタレ軍団“ルーザーズ・クラブ”が愛おしい 正直、ストーリーはイマイチなところも否めないけれど、キャラが魅力的で、ペニーワイズもそうだし、キャラ先行の作品なんだと思う
吃音、行方不明の弟、父からの性的虐待、町に広まる噂、喘息、母の束縛、太った体型、黒人差別、家畜を仕留める仕事 各々、本当は心に闇や不安、恐怖を持っているわけだけど、そんな彼らが無邪気に水遊びしているシーンは見ているだけで幸せな気持ちになる バッサリ髪を切り、真っ先にダイブするべバリー そして、所々で現出するべバリーに対する“ルーザーズ”たちの初々しい感じ あと、べバリーが買いに来たのが生理用品というところも巧みだなぁと思う
排水溝から溢れ出た血によってバスルームが真っ赤に 血塗れのバスルームを“初めての共同作業♪”みたいな音楽と雰囲気で見せるところはぶっ飛んだ狂気も感じた
拳銃でふざけた事をしている息子に対して、警官の父が拳銃を取り上げて、足元にぶっ放してびびらせてからの友達に「よく見とけ。コイツは肝の小さいただのガキだ。」ってところが最高 容赦なくぶっ放してくれるところが痛快だし、まさしくの正論をぶつけてくれる
“それ”となっているように、ペニーワイズとはそれぞれの恐怖や不安を具現化した象徴ともいえる存在 “それ”に対して「怖くない」というマインドを持つことが“勝利”なのだとするのも素敵だなと思う それにキスをしたのがおデブのベンというところも良い えっ、まさかという感じからの流れは結構、革新的なんじゃないかと思う ただ、ペニーワイズの描写は逆にコメディに見えてしまう感じが良くも悪くもある 赤い風船は好き ラスト、ビルとべバリーのキスで幕を閉じるのも爽やかな切なさがあって良かった でも、べバリーよ、ビルとベンのどっちなんだ!という感じも でも、チャプター1であり、という不穏さの煽り方も良かったと思う
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