ごろう

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のごろうのレビュー・感想・評価

4.5
冒頭雨水に乗ってスイスイと進む折り紙の船の軽やかさはこの映画そのものなのではないかと思ってしまうほどに、ギャグとホラーの絶え間無い交代が一切の淀みを許さずに青春を描き切っていた。沈滞したら負けと言わんばかりの病的な気分屋気質というか思い切りの良さがあって、ペニーワイズの手際の良い動きは爽快で気持ち良く、生理の血飛沫のダイナミックさには単純に感動したし、それこそ随所に出し抜けに挿入される笑いには、恐怖に隙を与えるなすぐさま笑い飛ばせと私が勇気付けられている気がしたほどだ。勇気付けられてしまった私にとっては、恐怖との対峙は青春に限ったことではなく、子供の親たちが恐怖に取り憑かれているように、未だこの戦いは始まったばかりなのだというchapter 1は感慨深かった。"Time to float" 風船のように浮くか船のように浮くか、君はどっちを選ぶ。
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