小

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。の小のレビュー・感想・評価

3.8
「第10回したまちコメディ映画祭in台東」の「映画秘宝まつり」で、『ゲット・アウト』との2本立て上映にて鑑賞。

こちらも全米で人気沸騰、なのかな。興行収入は『ゲット・アウト』を超え、『スパイダーマン:ホームカミング』『ワンダーウーマン』といった夏の話題作すらなぎ倒す勢いらしい。トークで町山智浩さんが、その理由を解説していたのだけれど、確かテレビ番組で人気になって…とか、よく覚えていないのが残念なところ。

あと『20世紀少年』が本作を元ネタにしていると話していたけれど、知らないので…。また、レビューとかで書いている人が多いと思うけれど、町山さんが特に強調していたのが「それ」と訳されるITの誤訳。

正しくは鬼ごっこの「鬼」を指すそうで、アメリカで暮らす町山さんは息子さんに「お父さん、『IT』ね」と言われ「『それ』って、なんだよ」と、はじめカチンときたとか。字幕でも「それ」と出るけれど、「鬼」と読み替えて見たほうが確かに意味はわかりやすい。

児童失踪事件が相次いで起きている田舎町。吃音症で内気な少年ビルが弟に舟を作ってあげると、弟は舟で遊ぶため大雨の中外出し、血痕を残して姿を消してしまう。自分を責め悲しみにくれるビルの前に「IT」は現れる。「IT」はまた虐めの対象となる子供が恐怖を感じると現れる。秘密を共有する仲間たちが「IT」に立ち向かう物語。

ひと夏のロードムービーで、イベントがホラーという感じ。子どもを自分のモノのように扱う「IT」みたいな大人たちも、子どもの結束を強めるのに一役買っている。アイディアは『ゲット・アウト』の方がイイ感じだけれど、個人的には本作の方が物語に厚みがあって、面白かったかな。子どもたちの会話、子どもならではのわかりやすい反応が可笑しく、笑える要素もある。

公式ウェブ(9月18日現在)を見たら、以前はあった劇場情報がなくなっている。トークショーでも話が出ていたけれど、上映スクリーンを増やすみたい。個人的には『ゲット・アウト』も本作もシネコンで取り上げるような作品ではない気がするけれど、成績がちょっと楽しみ。

●物語(50%×4.0):2.00
・ロードムービーにホラーが合体したみたい。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・「IT」も、子どもたちもキャラも立っている。グロさもなかなか。『ゲット・アウト』より怖いと思ったけれど、最近、苦手だと思い込んでいたホラー映画も普通にいけそうな気分。多分、年取って、感受性が鈍くなったのだろう。

●画、音、音楽(20%×3.0):0.60
・音の面でもまずまず怖かった。
小