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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のりのレビュー・感想・評価

3.6
秩序侵犯(子どもの失踪)からの秩序回復(itの撃退)の物語。子供たちは子供たちなりに果敢にitに立ち向かい、理想の体現(強く正しく)を図っている。特に、親から守られる存在からの脱却、親からの自立を描写しており、itへ向き合うことが一種のイニシエーション的な機能を果たしている。
本映画はホラー映画でありながら、恋愛の不条理さ、人種差別、近親相姦、いじめなど様々なものを映し出している。もちろん、これらは物語の要素に過ぎないのだが、描写されることで映画に厚みや深みが出る。
肝心の内容だが、お化け屋敷的な映画という印象を受けた。どこから「it」が来るのかわからない、「it」がどんな姿で何をしに来るかが予測不可能な恐怖が我々を襲う。最後のフルボッコには噴飯。
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