yoshi44

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のyoshi44のレビュー・感想・評価

3.8
これはジュブナイルものの映画として完璧な作品。
「少年期に感じる得体の知れない恐怖と不安がそのまま形になる」というスティーヴン・キングの真骨頂を、この上なく魅力的なヴィランの造形で見事に表現。
確かに原作は少年期と中年期のザッピングが見事だったけど、あれはキングの巧みな語り口あってこそだと思うと少年期だけに割り切ったこの構成は英断だと思う。
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「次はどんな手で驚かされるんだろう!?」と、お化け屋敷とびっくり箱のいいとこ取りのような演出で飽きさせない。もはや終盤は笑えてくるし。
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あなたの“それ”はどこに潜んでいただろうか?
自分の場合、ベットの下、ボーイスカウトの肝試し、夜中に見上げた校舎の屋上、シャンプー中の背後、やたらと広かった記憶がある祖母の家の奥の方…。
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恐れたとき、“それ”はそこにいる。
彼らは恐れずに立ち向かうことを選ぶのだから、これはジュブナイル映画として完璧なのだ。
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