“それが見えたら終わり”
戦慄のピエロ映画特集!!
第四弾『it/(以下略)』
もし、ピエロが排水溝からこちらを覗き込んできたら!?
以下、レビュー。
ぶっ、物理で!?
なんかスピリチュアル的なアレじゃなかったの!!?
そうか……。アメリカにも彼岸島ルール「丸太最強」が適用可なのか……。
と、まぁそれはさておき、内容のお話。本作の雰囲気を掴んでいただくために、ちょこっと昔話をば。
私がまだちっこかった頃、NHKで『バケルノ小学校』という人形劇が放送されていました。 確か、『がんこちゃん』が放送されない金曜日に同じ時間から放送されていたと記憶しておりますが、当時はとにかくこれが怖かった。。
姉がこれを観始めると、急いで逃げ出したものです。
さて、そんなだった私が鹿児島の実家に帰省したときのトラウマ話。
金曜日になり、いつものごとく『バケルノ小学校』を大音量で見始めた姉と音が聞こえないところまで逃げ出す私。
居間を飛び出して、なるべく遠ざかるため階段を駆け上り、二階の一番奥の部屋へ。
入ってみるとそこは異様な空間でした。
壁一面に木彫りの人形の群れ。
部屋の隅には病的な白さの西洋人形と細い眼をした市松人形。
それらが、8時の陽光差し込む薄暗い部屋で、何か不気味な陰影を持ってこちらを見ていたのです。
今はだいぶマシになりましたが、当時の私は『バケルノ〜』が終わるまで15分間この部屋に居続けた記憶がトラウマになり、持っていたぬいぐるみ(旧友)を物置に投げ込むぐらいの人形恐怖症になりました。
本当にあったことではないでしょうが、なぜか私の頭には閉じられた木の人形の目が見開かれるイメージや西洋人形と市松人形の目がギョロギョロ動くイメージが薄ぼんやりと存在します。今ですら覚えてるぐらいだから、当時の私にはどれほど強烈なイメージであったか。そりゃ、夜にトイレ行けなくなりますわな。
帰りたい帰りたい、と大泣きして、さして交流のなかった祖父にブチ切れられたのもトラウマですが(笑)
この「イメージ」というのが本作における重要なキーワード。
子供の想像力は、時に現実とは異なる「イメージ」を想起させるほど強烈なものです。私は人形でしたが、音楽室のベートーベンだったり、向かいの家のカーテンだったり、公園のちょっとした暗がりだったりと、この世界は恐ろしいものに溢れています。
そういった恐ろしいものを克服する=子供時代との決別
そんな風に考えることも出来ます。
“馴れる”ではなく“克服”がミソ。
“馴れる”だと子供大人が出来てしまいますからね。この映画の大人たちのように。
そういう意味じゃ、本作はちょっと不満かも。
私の子供時代のトラウマは決して「怖いぞ〜〜」て顔して出てきませんでしたよ??
下水道から出てくるんなら
「下水道楽しいぞ〜!!」て顔して出てこなきゃ。
なんか怖い雰囲気だけがある青春劇で、生ぬるい感は否めません。
青春映画好きならいいかも。
オススメです!!
※しばらくの間、『バケルノ小学校』で一番怖かったオキク先生をプロフ画にします。
せいぜいトイレ行けなくなって下さい(笑)