本作監督のアンディ・ムスキエティは、ギレルモ・デルトロ制作の「MAMA」がなかなかの良作で注目していたところに、キング原作のメジャー作品のリメイクという大仕事。
アメリカの子供なら誰もがカーニバルや移動遊園地で出会うであろう道化師。
闇の中で張り付いた笑い顔は恐怖と表裏一体。
シンバルモンキーと同様の2人っきりにはなりたく無い存在。
子離れできない片親。その上、人生のパートナーの重荷まで負わせようとする姿が醜悪。
ガキどもが下ネタを連発する。
ベバリーが浴室で血にまみれるが、父親にはそれが見えない。
少年や少女が精神的に肉体的に大人の生理を知り、大人になる。
それがそれ。
あれはあれ。
兄貴がワックスを塗った船。
船は女性型の名詞だと言う。
弟はそれを必死に追いかけ、それに出会ってしまう。
そして、家から出れない兄貴の元を離れる。
留まる者には寂寥しか無い。
大人への道しるべは明確に提示されるわけでなく、迷い込んではプカプカと水中を漂って容易に抜け出せないかも知れない。
思春期の衝動を思い切りぶつけられれば、
そこに仲間がいれば、
時には怒りを力に変え、
前に進めば、それが成長となる。
二ヶ月も無い夏休み。
大人にとっては、日常の澱しか生み出さない時間が少年少女には長いストーリーを生み出す機会になり得るし、そこで彼らは劇的に生まれ変わる。
ジュヴナイル映画として絶妙な味付けが素晴らしい。
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CURE、ANTHRAX、XTC、そしてしつこいニューキッズ、にニヤリ。
2017劇場鑑賞101本目