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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のLATESHOWのレビュー・感想・評価

3.9

イケメンのペニーワイズなんてという心配も吹き飛ぶ面白さ。
旧作のペニーワイズは
モデルになったシリアルキラーの雰囲気まだあったけど
今回はモンスター化著しい。
やっぱり、もうひとつのスタンドバイミーなんですね。
デカい黒縁メガネ、いじめっ子、Tシャツには「クリスティーン」...キングへのオマージュだらけ。
デリーと聞くだけで
キャッスルロックにやってきた!ともうワクワク笑

キング作品の
死体探しや、初潮、いじめ、親子関係といった
身近な不安や悩みは
通過儀礼であり、成長すべく乗り越える為の題材だ。
キャリーやスタンドバイミーの少年たちのように
抑圧された子が恐怖の対象と向き合うという。
灯の切れた地下室。
気味悪い絵画が飾られた書斎。
威圧的な親。
田舎町の路地裏や廃墟。
暗い歴史。
無関心なオトナ達はペニーワイズが見えず、それはつまり子供達の不安や悩みもまた見えていない。
いつかあんなオトナ達に
自分もなるのかもしれないという
不安だってある。
かつて私たちが怖かった存在と
もう二度と戻らない一夏。
恐怖よりノスタルジーが勝ってしまう人も多いのではなかろうか。
奇抜な方向にあえて走らず
キング作品の底に流れるテーマをきちんと映像化した爽快感があった。
血まみれの浴室を仲間達で笑いながら掃除するシーン、
オトナになったらもう決して体験できないんだよ。
夕暮れの山道を自転車で駆け下りたり
裏山の防空壕跡を皆で探検したら
鎌持った地主の爺さんに見つかり
死ぬほど怒られて泣きべそかいたのを思い出してしまったよ笑
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