ソラアユム

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のソラアユムのレビュー・感想・評価

4.0
心に大きな傷を抱えた少年、少女が町の連続失踪事件の謎に迫っていく姿を描くホラー青春群像劇



ジュブナイルモノとしてはほぼ満点。
ホラー映画としては落第点。
ただジュブナイル×ホラーとしては及第点ではないかと。

負け犬クラブメンバー全員にスポットを当てそれぞれがトラウマを克服していく姿をちゃんと描けていたと思う。
一夏の大冒険というどうしたって誰もがノスタルジーに浸れる題材にホラー要素まで加わって個人的にはドストライクの作品でした。

ホラーとしては単純に怖くないです。
ピエロだけで2時間以上もたすのは流石に厳しいのと、結構序盤から自己主張が激しいので最後の方は食傷気味でした。
驚かし方もワンパターンで、テンポもかなり悪い。
ですので単純なホラー映画だったら相当酷い部類である事は間違いないです。

ただ、不気味なピエロのペニーワイズを子供達が克服するべきトラウマ、越えるべき障壁、成長のための糧と理解するならば、充分及第点ではないかと。
子供達にとっては怖く、大人にとっては下らない(怖くない)というのが今作のテーマと一致しているし、何よりも子供達のみで解決するという点で身の丈にあっている。

続編が楽しみです。
余談ですが、今作で唯一背筋がゾワゾワしたシーンがありました。
図書館で太った男の子が町の歴史資料を見ているシーンで、ずっと後ろの方でこっちをジッと見ながらニタニタと笑っているお婆さん(おそらく図書館の管理人のハズ)が背景に映り込んでいてコレが結構怖い笑
ピントもぼやけているし映っている時間は短いですが。