あかっか

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のあかっかのレビュー・感想・評価

3.9
1990年にテレビ映画として製作された作品のリメイク。日本でもこの作品によりピエロ恐怖症になった子供が多数いるであろうトラウマ映画の代表作。90年版はラストがしょぼいのでも有名だが、果たしてリメイク版は・・・。

アメリカではホラー映画としては歴代1位となる異例の大ヒット。日本でも20億円突破と、興行面では大成功!現実世界でも27年周期でやって来たペニーワイズの力は絶大です。

あらすじは90年版(の前編)と勿論同じ(と言っても27年前に観た作品の内容なんて細かく覚えてないけど)。田舎町で子供の失踪事件が続発。主人公ビルの弟ジョージーの失踪シーンから幕を開け、ビルとその仲間(ルーザーズ・クラブ)が事件の真相に迫り、殺人ピエロ・ペニーワイズと対峙して行く。

今作で強調されたのがジュヴナイル映画としての少年少女たち。ホラー映画とは思えない明るい映像でクラブメンバーたちの葛藤を瑞々しく描くことにより、同じS・キング原作の『スタンド・バイ・ミー』を彷彿とさせ、ホラーシーンとの陰影が際立ち、恐怖の効果を増幅させている。(現実と妄想の区別)

とはいえ、個人的には本作全然怖くなかった。ペニーワイズがあまりにも幻想的というか現実感がなさすぎて、これは自分が大人になってしまったからなのか、はたまた映画の作りとしてそう見えたのか。怖いけれど被害は受けない、お化け屋敷的なライトな恐怖感が作中にあり続け、ペニーワイズって脅かすだけで別に危害を加えるつもりはないんじゃ?と感じてしまった。

なので、この作品をホラー映画と紹介するのは少し気が引けるので、ちょっと怖いピエロが出てくる『スタンド・バイ・ミー』としてオススメします!そして後編はもっと縮み上がるような恐怖に期待!
あかっか

あかっか