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PとJKのshishiraizouのレビュー・感想・評価

PとJK(2017年製作の映画)
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良いところを探すと、
ヤカラの乗るバンのナンバーが「8 88」なのはリアル。
土屋太鳳のカコが異性に興味を持った瞬間の、瞳孔の動きがスゴイ。
函館のひろびろとした風景。道がひろく空が高い。路面電車の解放感と躍動感。亀梨くんちの家屋も校舎も木の質感よく天井も高い空間でドラマが進行する。

しかし、街や風景に印象があるときは、ドラマが空転していてダメなときの廣木映画の兆しでもありましょう。
亀梨くんが年齢聞いて態度急変→土屋太鳳ケガしていきなり結婚宣言と、二度の理解困難な急展開がある。ここはパキパキしたいわゆるマンガチックな演技で切り抜けるのが常道だと思われますが、亀梨くんはリアルっぽい演技を提示するので、そもそもの話の説得力のなさが露呈する。
そして廣木映画常連の村上淳や田口トモロヲ同様、鬱っぽい廣木的男性の亀梨くん、元気なく〈P とJK 〉という枠内に固定されていて話を動かせない。

代わりに話を動かすのは、大神さんこと家庭に問題があって金髪で不良でツンデレの高杉真宙。土屋太鳳が朝ドラ気質でおせっかいして、この手の映画お決まりの文化祭で一緒にワイワイやって、デレが出る。退屈。観客の若い女子たちは、こういう映画で毎度毎度文化祭や夏祭り見せられて楽しいのだろうか。一定期間共に撮影している内側のひとたちは、一体感をもって何かを作っているかんじがして、楽しいのかもしれない。

いつまで経っても画面に馴染まない女警官の大政絢は、良いアクセント。
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