にゃんこむ

全員、片想いのにゃんこむのレビュー・感想・評価

全員、片想い(2016年製作の映画)
3.3
ラジオの企画で、7週連続片思い特集をすることになる。
ラジオパーソナリティが手紙を読み上げると、各物語が展開していく劇中劇方式。各エピソードの間にラジオパーソナリティーを取り巻くエピソードも展開していきます。

一つ一つのエピソードが短くて見易かったです。
片思いが題材なのでキレイにオチをつけて恋愛成就ってわけではなく、余白や余韻があるのがイイ。
片思いだけ集めているので、内容は似たり寄ったりかなぁと思いましたが、テイストの違う7作品が集まっています。

エピソード1
MY NICKNAME is BUTATCHI
幼馴染にブタッチとあだ名を付けられ、ずっと呼ばれていたが、
最近はそう呼ばれることも少なくなり。その名付け親である幼馴染は、今は自分の親友と付き合っている。
幼馴染の事は気になっているが、親友の事は嫌いになれないので葛藤するブタッチ。

甘酸っぱい青春物語。これが一番好きかも。
山場は無いしオチも無いけれど、これぞ片思いエピソードって感じでイイ!

エピソード2
僕のサボテン
先輩に片思いするポンコツな冴えない男・トオルと、バリバリ仕事をこなす先輩・サキ。先輩にはいつも叱られてばかりで言葉がチクチク刺さる。
先輩は会社のサボテンに「ポンコツ」と名付け、トオルとどっちがさきに”花”を咲かせるか競争しようと言い出す。

ポンコツ男君がなんだか変態チックな作品でした。


エピソード3
サムシングブルー
少女は美容師に想いを寄せていた。
プレゼントを持ち美容師のもとに行く少女。そこで、美容師から手話で対応され困惑してしまった少女はその場から逃げてしまう。少女は耳が聞こえないが手話はできなかったのだ。

BGMはありますが、全編無声映画です。
甘酸っぱいエピソードというか気まずいだろうな~と思うエピソードでした。

エピソード4
片思いスパイラル。
男装女子の韓国人留学生ソヨンはルームメイトのユキに思いを寄せていた。ユキはソヨンの男友達のハジメを気になっており、ソヨンは男性と付き合ったことの無いユキのためにハジメに「ユキとデートしてあげて」とお願いする。
デートから帰ったユキは何も無かった事に落ち込む。ハジメを問い詰めるが「変に希望を持たせるようなことはしたくなかった。俺はソヨンの頼みだからデートをしたんだ」と返答。

なかなか上手くいかない片思いのスパイラル…
ユキを思うからこそ身を引こうとするソヨンが健気。

エピソード5
嘘つきの恋。
今が楽しければ、自分が楽しければという考えのマナ。
クラブでナンパする男にも、後腐れない女の方がいいんでしょ?それならそれでこっちも楽しむから良いよ。というスタンスでそれなりに楽しんでいたマナ。
ある日マコトにも「あたし彼氏いるから」と今までと同じように断り文句を言うが、マコトは純粋に信じてくれ、「彼氏と上手くいってない」というマナに親身に相談に乗ろうとする。マコトに魅かれていくが、彼氏がいると言ったのは嘘だと言い出せないマナ。

これはハッピーエンド!
擦れてる女子が純情男子に触れて改心するお話。これも好きです。

エピソード6
あさはんのゆげ。
母が夏の間は仕事で東京に出るため、その間フウカは従兄弟のカナメと暮らすことになる。しかしカナメとは幼いころにあったきり、記憶にもほとんどなく初対面に近い。
人と距離を取って生きていくと決めていたフウカは、世話を焼くカナメの事を快く思わなかった。しかし、カナメと暮らすうちに心を許すようになり…

従兄弟とはいえ、妙齢の男女が一緒に暮らすってのはどうなのよ。
親戚連中は何も思わなかったのか・・・…

エピソード7
イブの贈り物。
ミサトは介護施設で働いていた。そこには気難しい(というか意地悪おばあちゃん)のマキタがいた。マキタが3人目の担当”解任”を言い出したその日、介護見習いの青年・ヨシノリが施設にやってきた。
彼が来るとマキタはびっくりするくらい人が変わり温和になった。他にも手のかかる入居者がいたが、いとも簡単にコミュニケーションをとる青年にミサトはびっくりする。
施設のクリスマスイベントの日、ヨシノリは出身の児童施設でお世話になった人の葬式に良くといい、仕事を休んだ。
ミサトにマキタを宜しくと頼むヨシノリだったが、マキタはクリスマスのイベントの日部屋から出て来ず……

これは片思いとはいえ、悲恋すぎる……。
ラストにコレを持ってくるってなかなか鬼畜な気がします。
一応同じ施設の職員なのにミサトの言動が他人事すぎて、なんだかなぁな感じ。
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