このレビューはネタバレを含みます
ストーリー:★★★★★★★★★★
キャラクター:★★★★★★★★★★
映像:★★★★★
音楽:★★★☆☆
映画館で観るべき:★★★★★★★★★★
『X-MEN』フランチャイズ第10作目。
『ウルヴァリン』シリーズ第3作目にして最終作。
もはやこれはスーパーヒーロー映画ではない。
感動のヒューマンドラマだった。
ウルヴァリン(ヒュー・ジャックマン)は、体内に埋め込まれたアダマンチウムの毒素が原因で、特殊能力が低下しており、老化が進行し、ケガの治りも遅い。
プロフェッサーX(パトリック・スチュワート)は、アルツハイマーを患い、テレパシー能力および現実の認知能力も大きく低下。
さらに、能力が暴走してかつて多くの人を死に至らしめる事件も起こしている。
もはやこの2人にはかつてのようなスーパーヒーローとしての面影はなく、くたびれたおじさんと老い先が短いおじいちゃんでしかない。
過去シリーズで世界を救いまくった彼らの姿を観てきた身からすると、これはかなりのショックである。
そんな2人が出会ったローラ(ダフネ・キーン)という少女。
まだ幼いながらも、ウルヴァリンと同等の能力の持ち主だ。
彼女の正体は、、、まあ能力が同じっていう点で察しはつくだろうけど、そういうことです(笑)
前半は追手から逃げるだけの3人で、ものすごくロードームービー感が強い。
祖父と父と娘による家族ドライブのようで、牧歌的な雰囲気すらある。
後半から終盤にかけてが怒涛の展開。
ウルヴァリンがローラに未来を託し、次の世代を生かそうと態度が変わっていくところが感動的だった。
それは、結局ローラがウルヴァリンの娘であったことで、散々めんどくさがってた彼だけど、父性が芽生えてきたんじゃないかなって。
ウルヴァリンが死ぬ直前に、「そうか。こういう感じなのか…」っていうのは、「娘がいるってこういう感じなのか」「父親ってこういう感じなのか」ってことだよね。
ここは泣いたよ。
ウルヴァリンってこれまでずっと屈強な戦士だった。
驚異の治癒能力で死ぬことがなかった。
だからこそ、それらを覆すラストがここまで心に刺さるんだろうな。
ヒュー・ジャックマンも17年も演じてきたからね。
そんなわけで、これはもう絶対に観て欲しい映画。
設定的にはパラレルワールドということで、過去作とは違う世界らしいけど。
とはいえ、ヒュー・ジャックマンが演じるウルヴァリンとパトリック・スチュワートが演じるプロフェッサーXの観納めとなる作品でもあるので、特にシリーズをずっと観てきた人にはメチャクチャオススメ。
(2022.4.21追記)