今までのシリーズ以上に切なく、痛い。
その切なさはパトリックとヒュージャックマンの役柄からの引退も相成って感慨深いものがある。
従来のヒーロー映画とは異なり、デッドプールの成功を皮切りにウルヴァリンの戦闘描写はリアルで何より痛い。ウルヴァリン自身も満身創痍で痛い。
今まで鮮明に描かれなかった残酷な描写は"普通"のことをちゃんと"普通"に見せている為、ヒーロー映画にはあまり感じられないリアルな"生死観"をより観客に与え、この映画の渇いた性質とアメリカの大地は、決して娯楽に富んだヒーロー映画ではなく紛れも無いロードムービーになっている。
また劇中にも出てきたおよそ60年前の映画"シェーン"のように西部劇のオマージュを孕んでおり、渋くも哀しい物語だった。
そして何と言っても子役の女の子がすごい。
何あの目!表情!
これからの彼女に期待せざるを得ない。
はぁ良いラストだったな。