オキシジェンデストロイヤー

LOGAN ローガンのオキシジェンデストロイヤーのレビュー・感想・評価

LOGAN ローガン(2017年製作の映画)
5.0
打ちのめされた!!

テーマがテーマだけに重くて暗くて陰惨なんだけど、鑑賞後は何か心の奥底に問いかけてくるようなずっしりとした余韻が残った。

始まりから終わりを予感させる長く短い旅路はあまりにも切なくて何気ない会話のシーンなんかですら泣きそうになった。

今年のマイフェイバリット映画であるキングコングはすべてを盛り込んでやりきったが、方やローガンは余計なものを極力削ぎ落としてやりきったのかなという印象。他でも言われてるように西部劇やロードムービーでありアメリカンニューシネマでもあった。

そして忘れちゃいけないのがローラ役のダフネ・キーン。ロストチルドレンのミエット以来の小さな大女優誕生の瞬間だった。このままキャリアを重ねてもいいと思うが本作に刻まれた神がかり的な演技とこの瞬間は映画史上に既に永遠に刻まれたといっても過言ではなかろう(断言)。映画のテイストや倫理観も一般的なエンタメ枠でくくれないあたりも少しロストチルドレンに似てる気がしたかな。

この映画20代30代には他人事すぎて感情移入が難しい気がする。50代60代がメインになるんじゃないだろうか。あるいは10代だとまた異なる目線でどう受け止めるのか、気になるところではある。とは言え、他人の人生をまるで自分事のように体験できるのが映画だとしたら受け手の感性次第になるのかもしれないけど。

ラストローガンが最後の最後に言うセリフ、聞けてよかった、立ち会えてよかった、と心底思う。

良作が公開されるたびにアメコミ映画化のネクストレベルということが言われるがもはやアメコミは何にでも成り得るのだな。

あとパニッシャーもこのテイストで(懲りずに)再映画化してくれたらいいなぁ〜(笑)