ローガン。
ウルヴァリンとして戦った姿は、もうそこにはいない。
ローガンという爪は、長い苦悩の日々を過ごした事により欠け錆び…なんとか形を残しているに過ぎない。
永くX-menという家族として歩んできたプロフェッサーと共に朽ちることを望むのみ。
しかし、一人の少女と出会い護るべき存在を得た時…
爪は再び輝きを取り戻していく。
欠けようとも錆びようとも、折れてはいなかったのだ。
ローガンが体に心に負った無数の傷跡。
例え傷は再生するとしても、その痛みを忘れられるはずがない。
戦士としての苦悩と思いを語る眼差しが胸をうつ。
ウルヴァリンではない、ローガンという一人の人間の剥き出しになった存在。
ラストに至るまで、何度も涙が流れました。
そして、プロフェッサーと呼ばれ崇められていた男にも滅びは容赦なく訪れる。
彼の背負う十字架も途轍もない重さである。
ローガンとプロフェッサー、お互いに心の支えとなり必要とされる唯一の存在になっていたのだろう。
X-menが終わる。
そんな瞬間には、始まりの象徴としてやはり彼だけは立ち会わねばならなかった。
そして、ローラ役のダフネ・キーン!
とんでもない子役が現れました。
孤独さを見せる表情、キレのある動き、俯き立っているだけで放たれるオーラ。
是非、映画界には大事に育てて頂きたい。
シリーズ中、異色ではあるかもしれないが間違いなく大傑作です。
潔く幕を引いたローガン。
本当に去っていくのだろう。
私の中に最後にしっかりとXを刻んで。