とにかく思い切った映画。撮り方も闘い方も、ストーリーも思い切ってアメコミヒーローモノから脱却している。一方で敵の正体、過去の仲間たちに何があったかはほとんど語られないため、並行世界モノのような印象でもある。バイオレンスで哀愁漂うロードムービーに仕上げるために、そこも思い切ってカットしたのだろう。
これまでとんでもない敵と闘ってきたウルヴィーにしては、いくら老いたとはいえ戦闘が弱い感じだが、ただひたすらにSLICE&DICE!!!!!な肉弾戦は手に汗握る迫力。ローラも気迫抜群で、目ヂカラが半端なくアクションもローガン以上に魅せてくれる。
ストレートなストーリー展開は骨太とも言えるが、やや冗長でもある。ローガンの葛藤や心理をもっと描いても良かったのでは…とも思うのはウルヴァリンファンの我儘だろうか。